「好き」という感情は薄れていく。
この感覚、誰しもが味わったことがあるはずです。あんなにも好きだったのに、あんなにも執着していたのに。当時の熱量はどこへやら。
ただこれは、人間として正常な反応だと思うのです。とはいえ、好きと思った時の熱量を失うことを割り切れるほど人は強くない。だから僕たちは、熱が冷めないうちに好きを言葉として残したくなるのでしょう。
ただ、口頭や手紙などで、つまりは言語情報として好きという感情を残そうとしても、それを適切に残せている手ごたえがない。
そんな虚しさを抱える人に、『「好き」を言語化する技術』は寄り添いながら道を示してくれます。
今回は、個人的に特に伝えたい三宅さんの想いを中心に据えつつ、書評をしていきます。
「好き」は揺らぐ
本書では「好き」を言語化するための技術が語られていますが、そもそもなぜ言語化する必要があるのか?僕は以下の2点が主な理由だと考えます。
- 「好き」が伝わると嬉しいから
- 「好き」は薄れていくから
この2点について本書でもよく語られています。そして僕は、特に2つ目の理由が大事だと思うんです。
大人になって「好き」が冷めてしまうことありますよね。昔すごく好きだったキャラクターなのに、大人になるとその魅力がわからなくなる。思春期にハマっていたミュージシャンの歌詞が、社会人になってなんとなくピンとこなくなる。これもよくある現象です。そう、「好き」って、揺らぐものなんです。
揺らがない「好き」はない。
出典: 「好き」を言語化する技術p59
この三宅さんの文章を読んだ時、本書に出会えて良かったと思いました。僕も「好き」が揺らぐことに引っかかっていた人間なので。
また、この三宅さんの文章を読んだ時、住野よるさんの『この気持ちもいつか忘れる』を思い出しましたね。
タイトル通りに気持ちを忘れていく様子が切なく描かれていますから、先ほどの三宅さんの文章に共感した方なら刺さる1冊なのは間違いありません。
コツは細分化
では、テクニック的な要素にも少し触れておきます。様々なテクニックが紹介されていますが、特に僕は「細分化」というテーマが重要だと考えましたね。
「好き」の一言で終わらせるのではなく、具体的にどこに好きを見出したかを考えることを「細分化」と三宅さんは表現しています。
例えば本書に対する僕の想いで言えば、「揺らいでしまう感情を残したい、伝えたいという切実さが根底にあるから好き」と表現できますかね。
こんな感じで、「好き」には何か裏付けがあるのが普通です。そこを頑張って深掘りすると、よりあなたの好きが伝わりますし、好きを永遠のものとして残しておけます。
ポイントまとめ
では、書評のポイントを簡単にまとめます。
- 好きは揺らぐもの
- 「細分化」で好きは言語化できる
では、良き読書ライフを。

