YouTube.verはこちら
この記事を書く僕(TK)は、以下のような人間です。
- 毎日欠かさず読書する、本の虫
- 読みきった本の感想を、ブログに書き残している
今回ご紹介する「ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある」は、西野亮廣さんがエンタメで世界を獲るために、どれだけ行動してきたか、どれだけ考えてきたか、どれだけ日本中から笑われたか、どれだけ辛い思いをしたか、という話を赤裸々に語ってくれる本です。
読み終わったらメルカリで売ろうと思っていたのですが、内容があまりにも素晴らしすぎて、売れなくなりましたね。
著者の西野さんは月額980円の「西野亮廣エンタメ研究所」というオンラインサロンを運営しているのですが、なんと会員数が現時点で7万1,000人を超えているんですよ!
ざっくり計算すると、年間で8億3,000円の収入があるということですね…。
しかし西野さんはお金に興味が無いので、サロンの運営費を差し引いて残ったお金も全部、エンタメ投資や被災地の支援に使い込んでいます。
これだけ収入があったら、誰だって贅沢しちゃいますよね?
でも西野さんは全く贅沢をせずにお金を回し続けるから、めちゃくちゃ信頼が溜まっていって、オンラインサロンやクラウドファンディングにどんどんお金が入ってくるんだと思います。
今回は、そんな西野さんが書いた「ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある」を以下2つのポイントで要約しました。
- バッシングを浴び続けても、行動し続ける西野さん
- 西野さんが「えんとつ町のプペル」に掛ける想い
5分ほどで読めますので、ぜひお気軽にご覧ください。
ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある:2つのポイントで要約
「ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある」を以下2つのポイントに要約しました。
- バッシングを浴び続けても、行動し続ける西野さん
- 西野さんが「えんとつ町のプペル」に掛ける想い
それぞれ解説していきます。
バッシングを浴び続けても、行動し続ける西野さん
西野さんには、「エンタメで世界を獲る!」という壮大な夢があります。
ただ、その夢はどう考えても大きすぎるので、西野さんはずっと世間からバカにされ続けてきました。
しかしそれでも西野さんは自身の夢を諦めず、ただひたすらに行動し続けます。
この西野さんの行動力は、「不完全燃焼の日々を過ごしている人の胸に確実に突き刺さる」と断言できる素晴らしいものです。
西野さんが今までどんなバッシングを浴びてきたのか?西野さんはそのバッシングに耐えどのように行動してきたのか?
そのストーリーをご紹介します。
ひな壇に出ないだけで叩かれた
「はねるのトびら」で大ブレイクした西野さんでしたが、西野さんは全く現状に満足していなかったんですよ。
なんでかというと、いくら番組を盛り上げたとしても、それは番組の評価が上がるだけで、自分に点が入らないと感じていたからです。
「エンタメで世界を獲る」ためには、コンテンツを作る側にならなきゃいけないと西野さんは考えて、番組の出演を徐々に減らしていきました。
そんなある日、出演を断った「FNS27時間テレビ」でめちゃくちゃいじられている自分を、西野さんは見てしまいます。
「芸人なのになんでひな壇に出ないんだよ」的ないじりでした。
しかしそれは愛のあるいじりではなくて、とても陰湿なもので、西野さんはめちゃくちゃ不快だったそうです。
そりゃそうですよね。
別の場所で頑張ろうと思っているのに、そのこと理解されずいじられるわけですから、不快になって当然です。
しかも中には、西野さんと一緒に働く人を馬鹿にする人もいたみたいですね。
ホントひどい話だと思います。
それでも西野さんは、「すでに用意されたルートで頑張っても世界は獲れない」と考えていたので、大した計画もないままテレビの出演を減らしていきました。
絵本を書くキッカケ
テレビの出演を減らすと決めてから2週間ほど経った日に、タモリさんから電話で呑みに誘われた西野さん。
実は西野さん、タモリさんに随分可愛がってもらっているようで、よく2人でお酒を呑むくらい仲が良いそうです。
いつもはフザけた話をしているタモリさんでしたが、この日だけは、妙に真剣な雰囲気でした。
そしてタモリさんは一言、「お前は絵を描け」と言ってきたそうです。
普通、いきなりこんなこと言われたら、「なんで絵を描いたほうがいいんですか?」って聞きますよね?
でも西野さんは「タモリさんが言うことだから間違いない」と、理由も聞かず、絵を描くことを決めたそうです。
この話を聞いて思ったことは、理由を聞かない西野さんも凄いですけど、「理由を聞かなくてもいいやと思わせるタモリさん」理がホント凄いと思いました。
絵本を書くときに意識したこと
ただ、普通に絵を描いても、「エンタメで世界を獲る」という夢は達成できません。
普通のルートで戦っても、芸人のひな壇に参加するとの同じで、天下を獲ることなどできませんからね。
そこで西野さんは、他の絵作家と差別化を図るために、「制作にめちゃくちゃ時間をかける」ことを決めました。
普通の絵本作家は、絵本の売上で生計を立てているので、コンスタントに絵本を書き続ける必要があります。
ただし西野さんは、テレビの出演を減らすと言ってもゼロになったわけじゃないので、芸人としての収入はあるわけです。
つまり西野さんは、絵本の収入に頼る必要がないので、絵本の制作にめちゃくちゃ時間をかけてもOKとなります。
このように西野さんは、常に「競争を避けること」を意識しているんですよ。
この発想はあらゆるジャンルで通用するものなので、ぜひ覚えておいてください。
4年もかかった「Dr.インクの星空キネマ」
さっそく文房具屋で0.03ミリのボールペンを買った西野さんは、コツコツと絵本の制作に取り組みました。
ただここでも、西野さん叩きはさらに加速していきました。
- 迷走していらっしゃいますね
- アーティスト気取りですか?
こんな声が日々聞こえていたそうです。
しかし西野さんはそんな声を無視し、ひたすら絵本の制作に没頭します。
そして「Dr.インクの星空キネマ」が完成したわけですが、なんと制作には4年もかかりました!
しかも製作中にM-1の決勝にいったりもしていますからね。
ホント西野さんは凄い人です。
ただ、結果として売れたのは2万5000部ほどで、思った結果は出せまでんでした。
さらに2年かけて「ジップ&キャンディー~ロボットたちのクリスマス~」を出しましたが、これも結果を出せず。
さらに「オルゴールワールド」という絵本も出したのですが、これも2万部ほどしか売れず、まさに完敗でした。
この話を見て、初めて聞く作品名が多いと思います。
そうなんです、西野さんは「えんとつ町のプペル以外」にも3作品の絵本を描いているのに、全く世間に認知されなかったんですよ。
こんな感じで、自分の作品が全く世間に認知されない期間を、7,8年西野さんは過ごしました。
おみやげにしたら売れた
このままじゃヤバいと思った西野さんは、絵本を描くだけでなく、「消費者に届けるための戦略」も必死に考えるようになりました。
「そもそも絵本が売れないのはなんでだろう?」と考え抜いた結果、絵本は生活必需品じゃないから売れないんだと西野さんは気が付きます。
そして次に考えたのは、「じゃあ、どうすれば絵本が生活必需品になるか?」ということです。
こんな風に考えるって、凄くないですか?
「絵本は生活必需品じゃないからダメだ」と普通は諦めちゃいますよね。
そこで西野さんは、「絵本をおみやげとして売る」ということを思いつきました。
「おみやげ」は思い出を保管するためであったり、家族や同僚に気を配るための生活必需品ですので、おみやげという位置づけにすれば、売れると考えたそうです。
実際、この発想は大成功しました。
個展会場の入り口に絵本を置いたところ、飛ぶように売れていったそうです。
こんな風に西野さんは、徐々に作品を届けるノウハウを自分の中に築いていきました。
ビラ配りは失敗した
絵本をおみやげにするという発想を成功させた西野さんですが、失敗もたくさんしています。
例えば、10日間もかけた1万枚のビラ配り、これが全然効果が無かったそうです。
特におもしろエピソードが生まれることもなく、ただただ、「ビラ配りには効果がない」と確認できただけでした。
また、絵本の作成もアトリエにこもって黙々と作業をする地味な時間がほとんどなんですよ。
僕たちは成功者のキレイなエピソードばかり注目しちゃいがちですが、実はこういう誰にも触れられない地味な行動をたくんさんしているんです。
このエピソードを見て僕は、「なんでもスマートにやろうとせず、とくかくチャレンジしまくろう」という気持ちになれました。
背水の陣が西野さんのエネルギーに
2013年の1月、長い休みがとれたので、急遽ニューヨークで個展でもやろうと西野さんは考えました。
しかし、ニューヨークに個展を開けるコネなど全く無かった西野さんは、ひたすら個展を開いている会場に、「場所を貸していただけませんか?」と電話しまくったそうです。
当然、知らない日本人から電話が来ているわけですから、場所を貸してくれる会場は全く見つかりません。
ですが、手当り次第に連絡をしまくった結果、なんとか1つの会場がとれました!
しかし、次の問題が発生。
お金がないんです。
そこで西野さんがとった手段がクラウドファンディングです。
今では世間に認識されているクラウドファンディングですが、当時はまだ世間への認識が弱く、「ネット乞食」とか「詐欺師」と心無い言葉を浴びせかけかれました。
そんな中でもなんとか531万円の資金を調達して、ニューヨークで個展を開いた結果、途中で人が思ったように集まらなくて苦労しますが、なんとか大成功を収めます。
なぜニューヨークというアウェーの地で、西野さんがここまで頑張れたのか?
それは、博多大吉さんが西野さんの絵に可能性を見出して、西野さんがダメ元で出した30万円の絵を買ってくれたからなんです。
もし西野さんが個展に失敗し、その後の絵本作家としての活動も失敗したら、大吉さんに恥をかかすことになりますよね?
「まだ全く芽が出ていない自分を認めてくれた人に、恥をかかせられない」という思いが、ニューヨークでの成功、そしてその後の絵本作家としての成功につながっているわけです。
ボールペンで書いた「えんとつ町のプペル」を捨てた
大吉さんによって背水の陣に立たされた西野さんは、ひたすら次の作品を作る作業に没頭します。
そして4作目として生まれたのが、「えんとつ町のプペル」です。
「えんとつ町のプペル」のストーリーが出来上がってからは、ひたすら今までと同じように、ボールペンで黙々と絵本を描き続けました。
しかし作業を続けて数ヶ月がたったころ、「なんで俺は1人で作業しているんだろう?分業制にして絵本を作ってもいいんじゃないか?」と西野さんはふと思ったそうです。
そしてなんと、数ヶ月間ボールペンで描いてきた「えんとつ町のプペル」を、西野さんは捨てちゃいました!
この思い切りのよさ、ほんと凄いです。
分業で作ると決めてからは、クラウドファンディングでお金を集めて、クラウドソーシングでスタッフを集めますが、毎度のことのように批判が飛んできます。
「絵本は1人で描くものだろ」とか「頭がおかしくなったのか?」という声が聞こえてきますが、それでも西野さんは自分の判断を信じ、ひたすら分業制で作業を続けました。
そして2016/10/21、「えんとつ町のプペル」は無事発売され、たちまち10万部を突破。
「えんとつ町のプペル」は、絵本としては記録的なスタートを切ることができました。
「えんとつ町のプペル」を無料公開した理由
無事に「えんとつ町のプペル」の販売を成功さた西野さんですが、まさかの決断を下します。
それは、「えんとつ町のプペル」を無料公開(公開ページはこちら)するというものです。
数年の歳月と数千万円のお金をかけて生み出した作品を無料で公開する、完全にイカれた発想ですよね(笑)。
ただし西野さんには、勝算がありました。
なぜ「えんとつ町のプペル」を無料公開したかというと、人は冒険しないことをわかっていたからです。
そもそも絵本を買うのは誰でしょうか?子を持つ親ですよね。
親が子供に読み聞かせるためとして買う絵本、当然、買う側は変な作品を買うという失敗したくありません。
そこに気づいた西野さんは、「じゃあ全部内容を公開しちゃえばいいじゃん」と思ったわけですね。
いやでも、内容を全部公開したら、絵本を買う意味なくなるじゃん。
と思われたかもしれませんが、大丈夫です。
実は読み聞かせをしにくいように、絵本の内容がスクロールで表示されるようになっているんですよ。(公開ページはこちら)
なので読み聞かせをしようと思った親は、絵本を買うというわけですね。
むちゃくちゃやっているように見えて、実は西野さん、めちゃくちゃ戦略家です。
このように西野さんは、既存のルールに縛られず、周りからのバッシングに耐え、とにかくひたすらに行動してきました。
「えんとつ町のプペル」ができるまでのストーリーは、読むだけで「自分も頑張ろう!」という熱いエネルギーが湧いてきます。
ただ、話を簡潔に伝えるために、はしょってしまった話もたくさんあるんですよ。
熱い気持ちになりたい方は、ぜひ本書を手にとって、実際に読んでみてほしいと思います。
西野さんが「えんとつ町のプペル」に掛ける想い
様々な試練を乗り越えて生み出された「えんとつ町のプペル」
実はこの作品、西野さんの人生がそのまま反映されたような内容になっているんですよ。
西野さんはどのような想いを「えんとつ町のプペル」に込めているのか?
2つのポイントにわけて解説します。
ゴミ人間プペルは、西野さんそのもの
本書のタイトルである「ゴミ人間」は、実はプペルのことなんですよ。
そしてこのプペルというキャラクターには、西野さんが味わってきた苦悩が凝縮されています。
実はプペルを表すゴミ人間という代名詞は、「夢を捨てきれずにいる人間」のことを意味しているんです。
そう、ゴミとは、過去に人々が捨てていった夢なんですよ。
その「夢」を大人になっても大事にする人は、世間から「早く夢(ゴミ)なんか捨てて目を覚ませ」とバッシングを浴びるわけです。
まさに西野さんの人生そのものじゃないですか?
「エンタメで世界を獲る」という夢を掲げて頑張れば頑張るほど、世間から大バッシングを浴びてきた西野さん。
その苦悩を投影したプペルがメインのキャラになっている「えんとつ町のプペル」、とてつもない熱量が注ぎ込まれた作品になっていることは間違いありません。
映画が2020/12/25(金)に公開されますので、めちゃくちゃ楽しみです。
声優に対するこだわり
自分の人生を反映している作品ですから、声優選びにもめちゃくちゃこだわっているそうです。
メインのキャラクターの声優は、以下の通りです。
- プペル→窪田正孝さん
- ルビッチ→芦田愛菜さん
- ブルーノ→立川志の輔さん
窪田正孝さんと芦田愛菜さんを選んだ理由は、どんなセリフも嘘臭い感じを出すことなく言うことができるからです。
例えば、星の存在を信じるルビッチは、映画中で以下のようなセリフを言うんですね。
誰か見たのかよ。
誰も見てないだろ?
だったら、まだわかんないじゃないか。
凄くピュアなセリフですよね。
こういうセリフを言っても、芦田愛菜さんや窪田正孝さんなら嘘くさくならないということで、お二人にオファーを出したんですよ。
単純に声のイメージがあっているだけじゃダメで、そのセリフをいかに純粋に言えるか?というところまで西野さんは考えています。
また、ルビッチの父親ブルーノは、落語家の立川志の輔さんにお願いをしているんですけど、これにもめちゃくちゃ深い理由があります。
西野さんがテレビタレントとして売れまくっているときに、立川志の輔さんの舞台を見る機会があったんですよ。
そこで西野さんは衝撃を受けます。
自分は世間のリクエストに応えながら芸人をやっていましたが、立川志の輔さんは、「自分が面白いと思うもの」を全力で表現していました。
そう、まさに立川志の輔さんは、西野さんに「自分が面白いと思うものを、全力で表現する世界もあるんだよ」と教えてくれた人なんですね。
西野さんの生き方を確立することになった恩人の立川志の輔さん、西野さんとしては声優を頼まずにはいられません。
西野さんは直接立川志の輔さんにお願いをして、ブルーノの声優をやってもらう運びとなりました。
また、ブルーノはルビッチに「誰もが信じない星の存在を教えてくれた父親」というキャラなんですよ。
そう、まさに立川志の輔さんの舞台を見た経験が、そのままストーリーに反映されているんですね。
このように西野さんは、「えんとつ町のプペル」に自分の人生を注ぎ込んでいます。
そんな「えんとつ町のプペル」、面白くないわけないです。
2020/12/25公開の映画が、ホントに楽しみですね!
ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある:まとめ
今回は、「ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある」の要約を2つのポイントで紹介しました。
- バッシングを浴び続けても、行動し続ける西野さん
- 西野さんが「えんとつ町のプペル」に掛ける想い
また、お話を簡潔にお伝えするために、詳細をけっこう省略しちゃっています。
もっと詳しく西野さん凄さを知りたい方は、ぜひ実際に手にとって読んでみほしいですね。
目次
- 山に登って絶望を見た
- 育児放棄をした過去
- 巡り巡る物語/信じ抜くんだ。たとえ一人になっても。
- ファンとは何か?
- 時代が変わった日/僕らが起こした事件
- 「面白い」を基盤から作る
- 鳴り止まないエンターテイメント
- 『映画 えんとつ町のプペル』の製作総指揮を務める覚悟
- 忘れないように、忘れられないように
- 100年に一度のウイルスに襲われた挑戦
- 日本中から笑われた夢がある
では、以上です。
良き読書ライフを!