先日、『この気持ちもいつか忘れる』を読みました。
では、著者の情報から述べていきます。
著者
著者は、住野よるさん。
『君の膵臓を食べたい』の著者として有名な方ですね。
僕はまだ『この気持ちもいつか忘れる』しか読んだことないのですが、本書以外の作品も絶対に読みたいと思えましたね。
なぜなら、誰とも共感できなかったような感情を、鮮明に言語化してくれていたからです。
きっと住野さんの作品を読むたびに、僕の心は救われていくような気がします。
あらすじ
本書の主人公は、高校生のカヤ。
カヤはとにかく、「つまんねえ」を連続するひねくれ者で、実際にいたらめちゃくちゃ嫌われる奴です。
そんなカヤはランニングを日課としているのですが、そのランニングのコースにですね、稼働していない古びたバスの停留所があるんですよ。で、そこで休んでいたら、唐突に光っている爪と目しか目視できない謎の少女チカと出会います。
会話を重ねていくと、どうやらチカは完全に異世界に住んでいるようなのですが、カヤが住む世界と妙に繋がっている部分もあることに気が付きます。
その繋がりを探るためにお互い頻繁に合うようになるのですが、まあ回数を重ねるうちに、カヤは特別な感情を抱くようになるわけですね。
つまんねえ人生に光が差したカヤの心情を繊細に描いた青春恋愛ストーリー、ぜひご堪能ください。
感想
自分の中にあった悲しみが、スゥーッと消えていく感じがしました。
僕はこの本をタイトル買いしたんですけど、その行動を取って正解でしたね。タイトル通りの話を描いてくれていましたし、読み終わった後に、本当に出会えて良かったと思えました。
どんな衝動も感動も、時が経つと薄れていくじゃないですか。その事実に悲しみを感じていたんですけど、本書を読んで、それは誰もが経験している普遍的なものだとちゃんと理解できて、しっかりと現実を受け止められる心構えを形成できました。
あと、カヤはめちゃくちゃ人生をバカにしていて、人生にめちゃくちゃ絶望しているんですけど、その様子にとても共感できましたね。あまりにも冷めきっている描写もあるので、人によっては嫌悪感を抱くかもです。でも僕は、そういった冷めきった感情をどことなく抱いている人間なので、住野さんもそういう感情を持ったことがあるんだなと思うとですね、なんかすごく嬉しい気分になりました。仲間を見つけたような感覚です。
必ず違う作品も読もうと思います。