先日、『人間みたいに生きている』を読みました。
では、著者の情報から述べていきます。
著者
著者は佐原ひかりさん。
2019年に第2回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞した『ブラザーズ・ブラジャー』でデビューを果たした作家です。
初めて佐原さんの本を読んだのですが、おそらく佐原さんは、普通とか一般的みたいな発想をぶち壊したい人なのかなと感じました。カテゴライズされた発想を押しつけてくる世界に対するアンチテーゼ。そういった想いが、根底にある気がします。
あらすじ
女子高生の唯が、家族と食事をしているシーンから物語は始まります。
ただ、そこに和気藹々とした雰囲気は一切ありません。実は唯、食べ物を食べることに何とも言えない不快感を覚えてしまい、まともに食事をすることができない人間なのです。
食事という当たり前の行為を全うできない唯は、いつ何時でも居心地の悪さを感じながら生きています。
ある日唯は、ある洋館に吸血鬼が住んでいるという噂を聞いて、その洋館に行くことを決意します。血だけを飲んで生きられることに、唯は羨ましいという感情を抱いており、本当に吸血鬼がいるなら会いたいと思ったのです。
誰にも理解されない唯の感情と行動。
生きづらさを軸にストーリーは展開していきます。
感想
唯の症状そのものに共感はできませんけど、感覚にはめちゃくちゃ共感できました。
世の中の人が当たり前にやっていることを、自分は全くこなせない瞬間ってありますよね。
例えば僕は、雑談が圧倒的に苦手です。街を歩くと、話しながら歩いている人が無数にいますよね。あれがマジでできないです。だから街を歩いていると、常に孤独を感じます。
まあだけど、そういう孤独な想いって、誰しもが抱えているものなのかなとも思えました。
種類は違えど、程度は違えど。普通になれない自分に孤独を感じることは、あなたもあると思います。そんな想いが積もり積もっている人に、この本を読んでほしいですね。