先日、「死にたくなったら電話して」を読みました。
では、本書の感想を淡々と述べていきます。
著者の説明
著者は、李龍徳(い よんどく)さん。
在日韓国人でして、作品中にはそのことについて触れる記述も見受けられました。
あらすじ
主人公は、浪人生の徳山。
ある日、バイト仲間にキャバクラに来るように言われて、まあなんとなく行ったわけです。
そしたら、初美というキャバ嬢が出てきます。初美はなぜか徳山に興味津々で、他のバイト仲間は面白くないという思いを抱きます。
徳山と初美はいずれ付き合うようになるのですが、そこからの堕落っぷりというか波乱万丈ぶりが、読者の心を惹きつけていきます。
感想
結論から言うと、かなりメンタルにきますね。
あまり元気じゃない時に読むと、心が闇へと引きずられると思います。かなりダークな描写もあるので、嫌いな人は嫌いでしょうね。
ただ、僕自身、この本にはとても心惹かれました。好きかと言われると、ちょっと違うような気はしますけど。具体的にどこに心惹かれたかと言うと、罵詈雑言が溢れかえるシーンです。
徳山が友達やバイト仲間に罵詈雑言をぶちまけるシーンがあるのですが、いずれの言葉も表面的ではなくて、内面からグリっと抉ってくるような尖さがあります。込められたエネルギー量がとてつもなかったので、思わず感心してしまいました。
この本は読み応えはありましたが、オススメできる本ではないですね。ダークな話を受け止められる人であれば、読んでみてもいいと思いますが。