この記事は、下記の動画を文字起こしした内容となっております。
こんにちは、こんばんは、TKです。
今回ご紹介するのは、茂木健一郎さんの著書「もうイライラしない! 怒らない脳」という本です。
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本書は、人はなぜ怒ってしまうのか?という根本的な疑問を脳科学の視点から解き明かし、怒らない脳の作り方を教えてくれる内容になっています。
いきなり質問なんですけど、あなたは普段怒りますか?
「怒ります!」と答えた方は、人生でかなりの損をしてる可能性が高いです。
怒った後のことを思い返してほしいんですけど、大抵、悪い結果に終わっていますよね。
相手も自分もイライラしただけで、結局、物事はなんにも良くならなかった。
そんな経験、何回も味わったことあると思います。
怒ってもいいことはないと分かっているのに、なんで人は怒ってしまうのでしょうか?
それは、脳に原因があるんですよ。
つまり、脳の仕組みを理解して対処すれば、あなたは怒らない人に進化することができます。
この動画を最後まで見ていただければ、怒らない脳を作ることができ、仕事・勉強・人付き合いのパフォーマンスがパワーアップするはずです。
具体的には、以下3つのテーマで話を進めていきます。
- なぜ人は怒るのか?
- キレそうになったときの対処法3選
- 怒らない脳を作る習慣3選
では、それぞれ確認していきましょう!
① なぜ人は怒るのか?
はい、1つ目のテーマは「なぜ人は怒るのか?」です。
まず結論から言ってしまうと、人が怒ってしまう原因は「脳の過剰反応」にあります。
つまり、あなたが怒ってしまったとしても、別にあなたが悪いわけじゃないんですよ。
なので怒ったことを後悔したとしても、自分のことは責めなくて大丈夫です。
脳の仕組みを理解して、怒らない脳を作っていけばOKですからね。
怒りは本能
ではまず、怒りが存在する理由から考えていきましょう。
動物は、テリトリー(日本語で言う縄張り)という概念を持っています。
そしてそのテリトリーを奪う存在が現れると、怒って相手を威嚇するのです。
つまり、怒りは動物にとっての防御本能なんですね。
これがないと、他の動物がテリトリーを荒らしに来ても攻撃できなくなり、命を落とすことにもなりかねません。
「怒り=本能」まずはこの事実を受け止めてもらうだけでOKです。
ただ、野生の動物はいいとしても、現代人にはあまり「怒りという本能」が必要なくなってきました。
なぜなら、テリトリーを荒らされたり、命を狙われる危険が減ってきているからです。
もちろん、そういった危険が全く無いとは言いませんが、太古の昔と比較すれば、危険がグッと減ったのは事実です。
なので現代に合わせて、僕たちは意識的に怒りを減らしていく必要があるんですね。
怒ったときの脳
ではここから、「怒ったときの脳」はどうなっているかを確認してきましょう。
まず、目の前で不快な出来事が発生しますよね。
すると、脳の扁桃体という部分が「不快な出来事が発生した」と認識します。
まだ、この時点では脳は怒っていません。
「不快な出来事が発生した」と認識しただけです。
次に僕たちは、その不快な出来事に対して何かしらの反応をしますよね。
その反応をコントロールしているのが、脳の前頭葉という部分になります。
つまりですね、鍵は前頭葉にあるんですよ。
ここで、鍵は前頭葉にあると言える根拠をご説明します。
フィニアス・ケージという方が、どういう経緯かはわかりませんが、鉄棒が脳を貫通する事故に遭ってしまいました。
命に別状は無かったんですけど、事故で前頭葉に傷がついてしまったんですよ。
退院後は社会復帰を果たしたのですが、フィニアス・ケージは怒りっぽくなってしまい、ケンカをしたりトラブルを起こしたりするようになりました。
この事故の経験から、前頭葉と怒りには密接な関係があることが分かったそうです。
前頭葉をコントロールするのは難しくない
はい、ここでのお話をきいてどう思ったでしょうか?
「前頭葉をコントロールすればいいのはわかったけど、そんなことできるの?」って感じですよね。
たしかに、脳の一部分をコントロールするってなんだかすごく難しそうに感じますが、そんなことはありません。
ちょっとしたテクニックを知っておいたり、良い習慣を身につけたりすれば、前頭葉をコントロールできるようになります。
ではさっそく、キレそうになったときの対処法について解説しますね。
② キレそうになったときの対処法3選
はい、ここからはキレそうになったときの対処法を3つご紹介します。
怒りのピークは10秒
1つ目が「10秒待つ」ですね。
なんで10秒待つのがいいのかと言うと、怒りのピークは10秒しか持たないからです。
どんなに怒りが湧いてきたとしても、時間が経つと、結構怒りって消え失せていきますよね。
例えば僕は大学時代、「ホントに○んでほしい!」と思うくらい嫌いな先生がいました。
その先生に対しての怒りがヤバすぎて、常にイライラが脳内を駆け巡っていましたね。
でも今は、その先生に対する怒りはだいぶ無くなってきました。
当時の怒りはすごかったんですけど、時間が経てばこんなにも怒りってなくなるんだなぁと拍子抜けするくらいです。
あなたも、「なんであんなに怒っていたんだろう?」と思う経験、いくつかありますよね。
先程も説明しましたが、動物には怒りでテリトリーを守るという本能があります。
本能は「テリトリーを荒らされると命の危険につながる!」と思い込んでいるので、その瞬間は怒りが爆発しちゃうんですよ。
しかし、その瞬間が通り過ぎればもう怒る必要はないので、怒りは消えていきます。
つまりここで言いたいのは、「怒りは本能的なものであり、時間が経てば消える」ということです。
もし怒りが湧いてきたた、とりあえず10秒待ってみてください!
たった10秒待つだけでも、怒をぶちまける回数はグッと減っていきます。
軽く体を動かす
はい、2つ目が「軽く体を動かす」です。
人は怒ると、顔が赤くなりますよね。
これは、交感神経という神経が活発になっている証拠なんですよ。
交感神経が活発になっていると、人は攻撃的な性格になります。
なので、交感神経とは真逆の性質をもつ、「副交換神経」を活発にさせる必要があります。
その副交換神経を活発にさせる方法として、軽く体を動かすというのが有効なんですね。
具体的には、ラジオ体操や深呼吸くらいの、ゆっくりした運動をすればOKです。
ただし、激しすぎる運動をすると、ますます交感神経が活発になって怒りが増大しますので、ご注意ください。
笑顔になる
はい、3つ目が「笑顔になる」です。
とつぜんですけど、「怒り」の反対ってなんだと思いますか?
それは、「笑い」ですよね。
つまり、真逆の反応である「笑い」を引き起こせば、怒りは無くなっていくんですよ。
実際に人は、「笑いながら怒る」なんでできませんからね。
脳科学的な視点で説明すると、人は笑顔になると、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が分泌されます。
セロトニンが分泌されると、リラックスしたりホッとした気分になるので、怒りはどんどん消えてきます。
ただ、「急に笑顔になれ」と言われても難しいですよね。
そこで提案したいのが、「笑える動画をストックしておくこと」です。
おすすめの動画は、レインボーさんの「リモート飲み会で見た目はハズレだけど嘘みたいに面白い女」ですね。
この動画、マジで凄いですよ(笑)。
女性役のジャンボさんが終始ボケ続けるので、動画の尺は12分なんですけど、12分間ずっと笑顔をキープできます。
ホントに面白いので、怒りがこみ上げてきたらぜひ見てください。
イラッときたらこうしよう!
はい、ここまで3つの対処法を解説しました。
まとめると、イラッときたら「とりあえず10秒待って、その後軽く体を動かしつつ、面白動画を見る」という行動をとれば、怒りに任せた言動とはおさらばできます。
スマホを持っているあなたならすぐにでも実践できると思いますので、イラッときたらぜひ試してみてください!
③ 怒らない脳を作る習慣3選
はい、3つ目のテーマは「怒らない脳を作る習慣3選」です。
先程はキレそうになったときの対処法を説明しましたが、そもそも怒りを感じない脳になってしまえば、対処法すら不要になりますよね。
もちろん、人間である以上怒りを全て排除するのは無理ですが、良い習慣を身につけることで、怒りを感じにくくすることはできます。
どれも簡単に実践できますので、ぜひ生活に取り入れてみてください。
キレイな言葉を使う
1つ目が「キレイな言葉を使う」という習慣です。
本書では、怒らない人になるための習慣が10個紹介されているんですけど、この「キレイな言葉を使う」という習慣はダントツで大事だと思いましたね。
なぜなら、キレイな言葉を使うと自分の怒りはもちろんのこと、周りの怒りも減らせるからです。
人の行動の95%は潜在意識、わかりやすく言うと「無意識」で決まっていると言われます。
その無意識を形成しているのが、普段の習慣なんですよ。
普段から汚い言葉を使っていれば、当然、思考や行動も汚いものになっていきます。
ここで、普段汚い言葉を使う人を、頭に浮かべてみてください。
汚い言葉を使う人って、いつもイライラしていたり、周りもイライラさせることが多いですよね。
それは、汚い言葉は「不快」が根本にあるからなんですよ。
不快という感覚は敵みたいなものですから、本能的に怒りが湧いてきちゃうんですね。
なので、普段から意識してキレイな言葉を使うだけで、自分と周りからイライラを消し去ることができます。
例えば相手に感謝をするときに、「ありがとうございます」と言う人って、とても印象が良いですよね。
しかし中には、「あざーす」みたいな言い方をする人もいます。
これは、できればやめたほうがいいです。
「あざーす」よりも「ありがとうございます」のほうが、言い手も受け手も気持ち良い気分になれますからね。
こういう小さな積み重ねが怒りを無くすことにつながりますので、馬鹿にせず、普段から意識してもらえたら幸いです。
いいところを見つける
はい、2つ目が「いいところを見つける」です。
この習慣のメリットは、「そういうこともあるよね」と受け流せるようになることです。
そもそも動物は本能として、ネガティブなことに意識が向きやすくなっています。
なぜかと言うと、ネガティブなことは即命の危険につながると、脳がプログラムされているからですね。
ただ、現代と脳のプログラムには完全にズレがありますので、意識して修正していく必要があります。
実際に僕も、「いいところを見つける」という習慣を身につけてからは、だいぶ怒りが減りましたね。
実は僕の友人に、全く時間を守らない人がいるんですよ。
昔は時間を守らないことにムカついていたんですけど、今じゃあまり気にならなくなりました。
その友人は「とても面白い」といういいところがありますから、少しの欠点くらい、なんてことありません。
このように、「いいところ」に意識を向けると、「いいところを探す」ということが当たり前となります。
そして結果的に、何かネガティブなことが起こっても「まあいいか」という心の余裕を持てるようになるのです。
ボーッとする
はい、3つ目が「ボーッとする」です。
「ボーッとすることの何がいいの?」って感じですよね。
しかしこれには、ちゃんと科学的な根拠があります。
人はボーッとしていると、脳の中でデフォルト・モード・ネットワーク、通称DMNという働きが起こります。
このDMNには、脳内の回路を結びつけるという効果があるみたいです。
もう少しわかりやすく言うと、脳内のいろんな考え同士を結びつける、つまりアイディアが浮かびやすい脳になります。
まあ今のお話を聞いただけだと、「アイディアが浮かびやすくなるからって、それが怒りと何の関係があるの?」と思ったと思います。
実は、アイディアが浮かびやすい脳になると、怒りが込み上げそうな状況でも、「他のことに考えを巡らせられる」ようになるんですよ。
例えば普段からDMNを働かせていれば、面と向かって「アホ!」と言われても、へっちゃらです。
「いったん10秒待ってみよう」「何が原因でアホ!と言っているのだろう?」と冷静な考えを持てるようになります。
また、ボーッとする時間は1日5分から10分くらいでOKです。
これくらいなら、休憩中にスマホを見るのをやめれば、すぐにでも実践できますよね。
DMNを働かせて怒らない脳をGETするためにも、何もしないボーッとした時間を大事にしてほしいと思います。
まとめ
はい、これで「もうイライラしない! 怒らない脳」の解説は以上になります。
ではまとめとして、今回ご紹介した内容をサクッと振り返りましょう。
- ① なぜ人は怒るのか?→命の危険を回避するための本能であり、前頭葉をコントロールすれば怒りは減らせる
- ② キレそうになったときの対処法3選→10秒待つ、軽い運動、笑顔
- ③ 怒らない脳を作る習慣3選→キレイな言葉、いいところを見つける、ボーッとする
ただ、今回お話した内容は本書の1部分であり、まだまだ紹介できていないことがたくさんあります。
実は茂木さん、昔はとても怒りっぽい人だったらしく、怒りに任せて結構失礼な発言をしたことがあったそうです。
茂木さんには申し訳ないですが、その発言をしてから謝罪に至るまでの経緯がなかなか面白いです(笑)。
反面教師としての学びもありますので、ここはぜひ、本書を手にとって読んでほしいと思いました。
では、本書を読んで最も心に残った「神の一文」をご紹介して終わりにします。
怒ると、脳の働きが不十分になって言葉で説明するのも難しくなります。こう考えるほうが自然ですが、実は逆です。
説明するのが面倒くさいから、怒ってしまうのです。
はい、以上になります。
ご清聴、ありがとうございました!
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