この記事は、下記の動画を文字起こしした内容となっております。
こんにちは、こんばんは、TKです。
今回ご紹介するのは、青砥瑞人さんの著書「HAPPY STRESS ストレスがあなたの脳を進化させる」という本です。
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本書は、なぜ生物はストレスを感じるのか?というストレスの存在意義を科学的な視点から解き明かしつつ、ストレスとの上手な付き合い方を提案くれる内容となっております。
一言に「ストレス」というと、なんだがネガティブなイメージを持っちゃいますよね。
実際に世の中には、ストレスを減らす方を教えてくれる本がたくさん出版されています。
しかしストレスは決して、敵じゃないんですよ。
むしろ、上手く付き合うことで、僕たちの成長を助けてくれる「味方」になってくれます。
もちろん、ストレスにはネガティブな面もありますので、減らす方法も知る必要はあります。
つまりストレスは、ちょっと柄の悪い”あんちゃん”みたいなものです。
ちょっと近寄り難いけど、話してみると案外いいやつ、そんな感じですね。
以上のお話を踏まえて今回は、悪いストレスを手放して、良いストレスを味方につける方法を中心に解説しますので、ぜひお楽しみください。
具体的には、以下3つのテーマで解説を進めます。
- ストレスの存在意義とは?
- ダークストレスを和らげる
- ブライトストレスを味方につける
では、「ストレスの存在意義とは?」から見ていきましょう!
① ストレスの存在意義とは?
はい、1つ目のテーマは「ストレスの存在意義とは?」です。
僕たちは「ストレス=敵」という先入観を持っちゃってますから、まずはその先入観を無くす必要があります。
このテーマはストレスと適切に向き合うために非常に重要ですので、心して聴いてもらえたら幸いです。
脳はネガティブなものに注意が向きやすい
まず覚えてほしいのは、「脳はネガティブなものに注意が向きやすい」ということですね。
脳にはACCという部位がありまして、間違い探しや粗探しをする「エラー検知」として大きな役割を果たしています。
この「エラー検知」としての機能は、狩猟時代のような環境では欠かせないものでした。
狩猟時代は毎日が生きるか死ぬか、そんな過酷な状況ですからね。
命に関わるようなネガティブな情報には、敏感でないといけません。
なので人間の脳は、あえて「ネガティブな情報」を意識するようにプログラムされているのです。
例えば、YouTubeをやっている方ならわかると思うのですが、「いいね」より「バット」の方が断然気になっちゃいますよね。
いいねが100あっても、バットが1つあるだけで、ストレスを感じちゃうんですよ。
長くなりましたが、つまりここで言いたいのは「ストレスは危険を回避するために必要であること。ストレスの元であるネガティブな情報に反応しやすいのは人間の本能であること」この2点を覚えてくださいということです。
この事実を知っておくだけでも、「ネガティブなことからストレスを感じるのって、当たり前のことなんだ」と、ストレスを受け入れることができますよね。
まずは事実を知ってストレスを受け入れる。
この姿勢を作っていただけると、ストレスがあなたの味方になる可能性はグッと上がるはずです。
ストレスのメリット
では、視点を変えて「ストレスのメリット」をサクッと確認していきましょう。
先程は「エラー検知」というメリットがあることを説明しましたが、他にもメリットはあります。
例えば、ストレスは「感動」を生むのに欠かせませんよね。
ここで、あなたが過去に大きな感動を味わった瞬間を思い出してみてください。
その感動が生まれる過程には、必ず「ストレス」がありますよね?
例えばスポーツでライバル校に勝つまでの過程には、「辛い練習による心身の疲労・負けるかもしれないという不安」から大きなストレスが生じます。
しかしそのストレスがあるからこそ、成果が出たときに人は心の底から喜べるのです。
例えばハイキュー!!で、烏野が白鳥沢に勝つ瞬間、すごく感動できましたよね。
あれは、勝つまでにあらゆるストレスがあったことを、僕たちが知っているからなんです。
はい、「今の例え、「ハイキュー!!」を知らない方には全く伝わらなかったですよね、すいません。
まだ観たことない人は、めちゃくちゃ感動できますのでぜひ観てください!
すいません、話を戻しますね。
「③ ブライトストレスを味方につける」でも詳しく解説しますが、ストレスには学習の効果を高める、もっと簡単に言うと、頭を良くするメリットもあります。
このように、ストレスには悪いことばかりじゃなく、良い面もある、まさにちょっと柄の悪い”あんちゃん”なのです。
生きる・感動・成長のためにストレスは必要
ここまでのお話を簡単にまとめると、「生きる・感動・成長のためにストレスは必要」と言えるでしょう。
だから、ストレスをゼロにしようなんて、思わなくていいんです。
「ストレスと上手く付き合う」この意識を持っていきましょう!
しかし、当然ですが中には排除したほうがいいストレスもあります。
いくら柄の悪い”あんちゃん”が本当はいいやつだからと言っても、周りに迷惑をかけちゃうことがあるのも事実ですからね。
では次に、悪いストレスである「ダークストレス」の排除法について解説します。
② ダークストレスを和らげる
はい、2つ目のテーマは「② ダークストレス」を和らげるです。
ここでいうダークストレスとは、「僕たちを悩ませ、苦しませ、ときにはうつ病の原因になるストレス」と思ってもらえれば大丈夫です。
まず、ダークストレスはなぜ排除しなければいけないのか?
そんな根本的なお話を、脳科学の視点から確認していきましょう。
過剰なストレスは、脳の機能を低下させる
人は大きなストレスを感じると、コルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。
コルチゾールは脳の扁桃体という部分に働きかけて、強い恐怖や不安を生み出します。
簡単に言うと、パニックの状態ですね。
この状態になると、冷静に物事を考えることができず、「とにかく逃げろ!あるは戦え!」そんな指令が脳から下されます。
これは、狩猟時代なら命を守るために有効だったんですけど、現代においてはデメリットが大きいんですよね。
例えば大事な試験の前に大きなストレスを感じたら、試験のパフォーマンスを下げてしまうこともあります。
このようにダークストレスは現代にはあまり必要ではなく、むしろ減らしていくべきなのです。
ダークストレスを予防しよう
じゃあ、ダークストレスを減らすにはどうすればいいのか?
結論から言うと、「ダークストレスにしない予防的な向き合い方」が重要になります。
なぜかというと、ダークストレスを生み出す原因は外ではなく内面にあるからです。
実はダークストレスの多くは、自分で育ててしまっていると青砥さんは言います。
なので、外側に変化を求めるよりも、内面に予防策を立てることが必要なんですね。
ストレッサーを手放そう
具体的な予防策としては、「ストレッサーを手放す」ことが有効になります。
ストレッサーというのは、ストレスを生み出す原因になっているものですね。
例えば上司に怒られてストレスが溜まったのであれば、ストレッサーは「上司」ということになります。
まずは、あなたが思うストレッサーを、思いつく限り書き出してみましょう。
実は、ストレッサーを書き出すだけでもストレスは減るんですよ。
なぜなら、脳は曖昧な状態を嫌うからです。
なので、ストレッサーが明確になるだけでも、あなたのストレスは減っていきます。
ただ、書き出すだけで終わりじゃありません。
次に、そのストレッサーにラベリングをしていきます。
ラベリングとは、主観的に評価をするという意味だと思ってください。
例えばストレッサーの中に「上司」があるとしたら、「まあ、別にコイツに怒られたからって、自分の価値が下がるわけじゃないからいいや」と自分勝手に評価して、手放せばOKです。
もちろん、簡単に解決できそうなものであれば、「こうすればいい」と解決策を書くのもありです。
ただ、基本的には「手放す」という意識が重要なので、無理に解決しないようにしてください。
このストレッサーを手放すという手法、大きなストレスを抱えている人が聞いたら、「そんなんでストレスが減るかよ」と疑いの目を持つと思います。
僕も昔は大きなストレスを抱えていたので、気持ちは凄くわかります。
しかし、僕でもこの手法でストレスが減ったので、ぜひやってみてほしいです。
一個一個ストレッサーを明確にしていくと、意外と大したことなかったりします。
僕はよく人に怒られたとき落ち込んでいたんですけど、今じゃあまり落ち込まないです。
別に1人の人間に怒られたって、よく考えたら自分の人生に大した支障はないですからね。
繰り返しになりますが、「ストレッサーを明確にする・ラベリングをする」この2点をぜひ実践してみてください!
③ ブライトストレスを味方につける
はい、3つ目のテーマは「③ ブライトストレスを味方につける」です。
ブライトストレスとは、僕たちの成長や幸せに貢献してくれるストレスことです。
このブライトストレスと上手く付き合う方法が、本書のメインテーマでもあります。
では、ブライトストレスは具体的にどのように貢献してくれるのか?ブライトストレスを生み出す方法とはなんなのか?
それぞれ確認していきましょう。
脳は使えば使うだけ成長する
僕たちの脳は使えば使うほど、成長するようにできています。
ここで覚えておいてほしいのが、神経科学の原則として、「Use it or Lose it」という考えがあることです。
「Use it or Lose it」とは、使わないとダメになるという意味ですね。
裏を返せば、使えば使うほど、能力は向上していきます。
例えば記憶に関する神経細胞には、ミエリン鞘と呼ばれる部位があります。
実は、脳を使えば使うほどこのミエリン鞘が太くなって、情報の伝達速度が早くなります。
これによって、脳の情報処理に使うエネルギーが小さくなる、いわゆる情報処理能力が高い人間になれるのです。
ただ、1つ欠点があります。
それは、ミエリン鞘を太くするまでに大きなエネルギーを消費するということです。
簡単に言えば、疲れちゃうということですね。
何か新しいことを学ぶときって、すごく脳が疲れた感覚になりますよね。
あれは、ミエリン鞘を太くするためにたくさんエネルギーを使っているから、脳が疲れた感覚になるんですよ。
ただ、この脳の疲れはまさにブライトストレスです。
なぜなら、僕たちの成長に欠かせないストレスだからです。
脳の疲れは、筋肉痛みたいなものと考えてみてください。
筋トレが大好きな人は、筋肉痛の痛みを愛せますよね。
その感覚を、脳の疲れにも持ってほしいんですよね。
たしかに、最初は疲れるばかりで面白くないと思います。
しかし、ブライトストレスがあるおかげで、しだいに新しいことでも理解できるように脳は成長しますし、成長したあとの達成感を味わうことができるのです。
ダークストレスを変換しよう
では、ここからダークストレスをブライトストレスに変換する方法を解説します。
ストレスは人の内面から生じるものですから、ちょっとした環境や意識の違いが、ダークストレスとブライトストレスの分かれ目になるんですよ。
せっかくのストレスを悪者にしてはもったいないので、ぜひブライトストレスとして有効活用する方法を習得しておきましょう。
では例として、モチベーションに関するお話を取り上げますね。
僕たちのモチベーションに関わる化学物質として、ドーパミンとノルアドレナリンがあります。
ドーパミンは、主体的に物事に取り組んでいるときに出やすい化学物質です。
ノルアドレナリンは、やらされている感覚が強いときに出やすい化学物質です。
どちらもモチベーションを保つために有効なのですが、実はノルアドレナリンには、ストレスホルモンであるコルチゾールを誘導しやすいという特徴があります。
このコルチゾールは、身の周りの危険を回避するために「集中力を分散させてしまう」という効果があります。
宿題が終わらなくて焦っているのに、なぜか漫画やテレビが気になって観てしまったなんて経験、1度はありますよね?
よくコントで、受験勉強中に卒業アルバムを見るシーンもありますが、あれなんかまさに、ノルアドレナリンがよく分泌されている証拠だと思います。
ただ、この「集中力を分散させてしまう」という効果は、環境を整えることで簡単に消滅できます。
結論を言うと、「あなた」と「やるべきこと」の2つだけがある空間を作っちゃえばいいんですよ。
例えば読書に集中したかったら、本とあなただけを部屋に持って閉じこもればOKです。
スマホやお菓子は、外においておきましょう。
すると、あなたは簡単に読書に集中する人間になれます。
以上のように、ちょっと環境を整えることで、ストレスと正しい付き合えることを覚えてもらえれば幸いです。
まとめ
はい、これで「HAPPY STRESS ストレスがあなたの脳を進化させる」の解説は以上になります。
ではまとめとして、今回ご紹介した内容をサクッと振り返りましょう。
- ストレスの存在意義とは?
- ダークストレスを和らげる
- ブライトストレスを味方につける
以上3つのテーマについて解説しました。
ストレスには良い面もあれば悪い面もあり、完全になくすのではなくて、正しく付き合う方法をしることが重要だと理解してもらえたら嬉しいです。
ただ、今回お話した内容は本書の1部分であり、まだまだ紹介できていないことがたくさんあります。
今回はご紹介できませんでしたが、「根拠なき自信を持てる脳」を解説している章のお話が、とても熱量があって読みごたえがありましたので、ここはぜひ本書を手にとって読んでほしいと思いました。
では、本書を読んで最も心に残った「神の一文」をご紹介して終わりにします。
ストレスとうまくつき合っていくためには、当然、「外側」の世界だけに囚われるのではなく、「内側」の世界と対話する、すなわち自己と対話していく必要があるのです。
便利な「外側」の世界に触れつつも、もっと自己の「内側」の世界とも向き合うことで、私達人類は、さらなる成長、そして幸せを感じやすくなるのです。
はい、以上になります。
ご清聴、ありがとうございました!
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