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書籍レビュー

【読書が遅い人の特徴とは?】遅読家のための読書術:本の内容を覚えられないのは当たり前です【要約・解説】

この記事は、下記の動画を文字起こしした内容となっております。

こんにちは、こんばんは、TKです。

 

今回ご紹介する本は、「遅読家のための読書術」という本です。

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本書は、「自分は本が読むのが遅い…」「本を読んでも内容を忘れちゃう…」と悩んでいる人を、意識改革によって救ってくれます。

本書の著者は「印南 敦史」さん。

印南さんはライフハッカーやニューズウィークなど複数のメディアで書評欄を担当しています。

印南さんは書評欄を担当しているにも関わらず、なんと「自分は本を読むのが遅い」と断言しているのです。

しかしそんな印南さんでも書評を仕事にできるのは、読書に対する意識がみなさんと違うからなんですね。

「ちょっと意識を変えるだけで本を読むのが楽になる」そんな印南さんの読書論をまとめたのが、今回ご紹介する「遅読家のための読書術」になります。

最初に言っておくと、本書は僕が1番おすすめしたい読書術の本です。

読書術の本はたくさん読んできましたが、本書が世の中の人々に1番ハマると思っています。

大半の人が「読書スピードが遅いこと」「読んだ内容を覚えられないこと」に悩みを抱えていますよね。

しかしその悩みは、そもそも「意識」が間違っているのです。

さっそく、本書の中から一番伝えたいメッセージをご紹介するので、ご覧ください。

ここで1つの結論めいたことを言っておけば、つまるところ、遅読家というのは能力の有無ではなく、読書のとらえ方に由来しています。「本を早く読める人」と「遅くしか読めない人」がいるのではありません。「熟読の呪縛から自由な人」と「それにまだとらわれている人」がいるだけなのです。

出典:遅読家のための読書術

はい、いかがでしょうか?

このメッセージだけで納得できたら、もうこの動画は見なくてOKです(笑)。

しかしご納得いただけなくても大丈夫です。

今回はこのメッセージのみを、深く深く掘り下げていきます。

この動画を見終わった後には、メッセージの意味がしっかりと理解でき、あなたの読書生活に大きな変化が現れるはずです。

今回は、以下3つのテーマで解説を進めていきます。

  1. なぜあなたは読むのが遅いのか?
  2. ダラダラにした読書を防ぐコツ3選
  3. 「速読」ついて思うこと【TKの意見】

3つ目のテーマは、本書を読んだ上で僕が思ったことで、本書の意見ではないことをご了承ください。

では、1つ目のテーマ「なぜあなたは読むのが遅いのか?」から解説していきます。

なぜあなたは読むのが遅いのか?

まず、結論から言います。

読むのが遅い原因は、「熟読の呪縛に縛られているから」です。

もう、これに尽きます。

「熟読しなきゃいけない」と思い込んでいるから、「読むのが遅い…」と落ち込むことになってしまうのです。

もちろん、能力の違いも読むのが遅くなる原因の1つです。

世の中には類稀なる理解力・記憶力を持っている人もいますから、そういう人は、素早く本の内容を把握できます。

しかし大半の人は、素早く内容を理解できないし、覚えることもできません。

まずはこの事実を受け止めることが大事です。

例えば趣味としてマラソンを始めたときに、2時間数分で走り切る人と自分を比べて落ち込むことなんてありますか?

ないですよね。

どんなジャンルであれ、プロとアマには実力差があります。

だから、自分は自分のペースで読書をすればいいのです。

では話を戻します。

「熟読の呪縛」と言うと抽象的すぎてイメージしにくいと思いますので、もう少し具体的な言葉で表現します。

簡単に言うと「読書とは、それを自分の脳に忠実にコピーすること」という発想が「熟読の呪縛」です。

この呪縛にとらわれている人はかなり多いと思います。

正直に告白すると、僕もこの呪縛に長い間苦しんできました。

しかし、冷静に考えてみましょう。

1回読んだだけで本の内容を覚えられると思いますか?

無理ですよね。

しかも熟読したとしても、結局は内容なんてほとんど忘れてしまいます。

これが事実なのです。

実際に著者の印南さんも、「いくら熟読しても、実際には忘れていることのほうが多い」という言葉を残しています。

はい、ここまでのお話を聞いてどう思いましたか?

「本の内容を忘れちゃうんだったら、読書する意味なんてないじゃん!」そう思われたかもしれません。

しかし、ご安心ください。

意識を変えれば「本の内容は忘れてもいい」と思えるようになります。

では、具体的にどんな意識を持てばいいのか?

それは、「1%に出会う」という意識を持てばOKです。

では、この意識について解説した文章を抜粋してご紹介します。

ご自身の読書体験を振り返ってみてください。「強く感動した!」「大きな影響を受けた!」という本のうち、1ページでも「しっかりと覚えている部分」はありますか?覚えているのはせいぜい1文とか2文、あるいは「なにが書かれていたかはあまり思い出せないが、『とてもいい本だったという事実』だけは覚えている」というのが現実的なところではないでしょうか?

ここからもわかるとおり、読書の本当の価値は、書かれていることの「100%を写しとる」ことではなく、価値を感じられるような「1%に出会う」ことにあります。

出典:遅読家のための読書術

はい、いかがでしょうか?

たしかに、好きな本のことを思い返してみても、覚えている内容ってそこまで多くないですよね。

僕が読んで感動した本の1冊に「筋トレが最強のソリューションである」があるのですが、しっかりと覚えているのは「筋トレとプロテインでこの世の99%の問題は解決します」というメッセージだけです。

他にはギャグがたくさん書いてあったことを覚えていますが、細かい部分はホントに覚えていません。

しかし「筋トレが最強のソリューションである」を読んだことは確実に僕の人生に影響を与えています。

たった1%の「筋トレとプロテインでこの世の99%の問題は解決します」というメッセージを胸に刻めただけでも、読んだ価値はありました。

実際に印南さんは、このように印象に残った一文を抜き出すことを、ワニブックスの「神は一文に宿る」という連載で続けてきました。

「神は一文に宿る」すごく素敵な表現ですよね。

つまり読書は「宝探し」ということになります。

書いてある全文を覚えようとするのではなく、心に残る一文に巡り合う意識で本を読んでみてください。

そうすれば「熟読の呪縛」から解放されるはずです。

ダラダラにした読書を防ぐコツ3選

はい、2つ目のテーマが「ダラダラにした読書を防ぐコツ3選」です。

ここまでのお話を聞いたことで、「熟読の呪縛」からある程度は解放されていると思います。

次にご紹介するお話は、さらに「熟読の呪縛」から解放される実践的なテクニックです。

「心に残る1%に出会えれば、それでいい」というお話を聞いた後でも、なかなかすぐに意識を変えるのは難しいですよね。

油断すると、すぐに「熟読の呪縛」にとらわれてしまうのが人間です。

したがって意識を変えようとするのに加えて、実際に行動に移すことも重要になります。

行動に移すことによって、潜在意識を変えることができ、あなたは「熟読の呪縛」から本当の意味で解放されます。

具体的に実践してほしいテクニックは、以下の3つです。

  1. 聴くように読む
  2. 緩急をつける
  3. 小見出しで読むか否かを判断する

それぞれ解説します。

聴くように読む

1つ目のテクニックが「聴くように読む」です。

あなたは音楽を聴くとき、どのようなイメージで音楽を聴いていますか?

ほとんどの方は、気持ちを落ち着かせたり、または盛り上げたりするために聴いていますよね。

実は印南さんは「音楽を聴くように本を読めること」が本書のゴールであると主張しています。

例えばリラックスして曲を聴いているとき、僕たちは細かいフレーズや旋律を大量に聴き逃していますよね。

だから昔から聴き慣れた曲でも、あるとき急に「ここにこんな音があったのか」と気づくことがありますが、それは当然なのです。

耳に入ってきたメロディーをすべて記憶するなんて、ほとんどの人はできませんからね。

ただ、ここで重要なポイントがあります。

たとえ聴き逃している部分があったとしても、やはり「残る音」があるのです。

なぜか頭から離れない「残る音」、あなたの中にもあると思います。

この「残る音」の感覚を、読書にも応用してほしいというのが、印南さんの考えです。

音を聴き流すように、本も読み流してみてください。

そして「残る文章」を大事に噛みしめれば、それでいいのです。

この感覚を身につけると、読書が「楽しく」そして「楽」なものになりますので、ぜひ覚えておいてください。

緩急をつける

はい、2つ目のテクニックが「緩急をつける」です。

印南さん曰く、「遅読家になってしまう原因は、リズムが一定であること」だそうです。

リズムが速いか遅いかは、そこまで問題ではありません。

一定のリズムをキープしているから、読書を単調なものと感じてしまうのです。

では具体的に緩急をつけるにはどうすればいいのか?

それは、「基本モード」と「高速モード」を意識しつつ読書をすればOKです。

「基本モード」は先程説明したように、音楽を聴き流すような感覚で、心地よい感覚で読み進めるモードです。

「高速モード」は「ここはあまり読む必要はないな、読んでいて面白くないな」という箇所を飛ばす感覚で読み進めるモードです。

補足しておくと、本は全て読む必要はありません。

当然ですが、本には「つまらない内容・すでに知っている内容」もありますから、そういった箇所は飛ばしてOKです。

自分なりの緩急を見つけて、単調な読書から抜け出していきましょう。

小見出しで読むか否かを判断する

はい、3つ目のテクニックが「小見出しで読むか否かを判断する」です。

これは、1つ前にご紹介した「緩急をつける」とつながってくるテクニックになります。

そもそも「緩急をつけて読みなさい」と言われても、どこを読み飛ばせばいいのか、よくわからないですよね。

そこで印南さんは、以下3つの小見出しは飛ばしてもOKと主張します。

  1. 商品差別化のために挿入された「著者の自分語り」
  2. 理論や主張を裏づける「個別の事例・体験談」
  3. 期待・危機を煽る「過剰すぎる表現」

これら3つは補足として書かれている文章ですから、読み飛ばしても大した問題はないのです。

ただ、これら3つの文章が全く無価値と言っているわけじゃありません。

著者や具体的な事例を知りたい人もいるでしょうし、過剰すぎる表現を読むと元気になる人もいると思います。

ここで紹介しているのは、あくまでも一例になります。

主人公はあなたなのですから、自分の都合に合わせて読むか否かを判断すればOKです。

「速読」ついて思うこと【TKの意見】

はい、では最後に本書を読んで思った僕の意見を述べさせていただきます。

本書はまさに「ストック型読書に対するアンチテーゼ」として書かれた本でした。

ストック型読書とは、「速く大量に読んで知識を蓄える読書」のことです。

要するに、「速読」と言われているものですね。

実際に速読を身につけたいと思っている人は多く、速読について書かれた本もたくさん出版されています。

しかし、速読は嘘というのが僕の見解です。

実はある研究によって、速読はできないということが主張されています。

マサチューセッツ工科大学の認知科学者であるメアリー・ポッター氏らは、視神経の構造や文字を理解する脳の仕組みから速読術を検証しました。

その結果「速さと精度はトレードオフで、適切に理解するには適切な速度で読む必要がある」との結論が導き出されたのです。

当たり前のことを言っているように聞こえますが、この当たり前のことをちゃんと認識できていない人は多いと思います。

厳しい表現をするのであれば、「速読術を追い求める人」と「痩せるために健康食品を追い求める人」の本質は全く一緒です。

要するに、速読術を求める人の根底には「楽をしたい」という気持ちがあるのです。

ここで、ハッキリ言っておきます。

速く大量に読んで、しかも忘れないなんて、ありえません。

僕はそういう謳い文句の本が好きじゃないです。

速読はそもそもできないですし、なんか急かされて嫌な気分にもなります。

本はあなたのペースで読めばいいですし、覚えておくのもたった一文でいいのです。

音楽を聴くように読書をする。

この感覚をぜひ身につけて、楽しい読書ライフを送ってほしいと思います。

まとめ

はい、これで「遅読家のための読書術」の解説は以上になります。

「読書は無理に覚えなくていい、たった一文でも心に残ればそれでいい」というメッセージが伝わっていれば幸いです。

しつこいようですが、ぜひあなたには「聴くように読む感覚」を身にほしいです。

競うように読書するのは、もうやめましょう。

そんな読書、心が消耗するだけですからね。

また、今回の動画を見ていただいた後に、アバタローさんの著書「自己肯定感を上げる OUTPUT読書術」を見ていただくと、より読書への向き合い方が良いものになります。

僕の方で解説動画を作成していますので、お時間があればぜひ観てください。

なお、今回ご紹介した内容は「遅読家のための読書術」の一部分にすぎません。

特にテクニック的な部分に関しては、ほとんど紹介できていません。

興味を持った方はぜひ、本書を手にとって読んでみてください。

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では、以上になります。

ご清聴、ありがとうございました!