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書籍レビュー

【表現力がめちゃくちゃ高い】『傲慢と善良』のあらすじと感想

先日、『傲慢と善良』を読みました。

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では、著者の情報から述べていきます。

著者

著者は、辻村 深月さん。

有名な作品は『かがみの孤城』かなと思います。

映画にもなっていますからね。

僕自身、辻村さんの作品を見たのが『傲慢と善良』が初めてなので、まだ辻村さんの作風自体は掴めていません。

ただ、『傲慢と善良』を読んで思ったのは、「人の複雑な内面を言語化する能力が高い人」ということですね。

モヤモヤしたり引っかかったりするといったように、抽象的にしか普段言語化できないようなことを、ハッキリと言語化する力が辻村さんにはあるように感じました。

実は辻村さんの他作品を積読中なので、そのうち読んでいきたいですね。

あらすじ

本書は、主人公の彼女がストーカーから逃げ惑うシーンから始まります。

主人公は飲み会に参加している途中だったんですけど、急に彼女から電話がかかってくるんですね。で、出てみたら「家にストーカーがいた!助けて」的な話を彼女はしてくるわけです。

実は彼女は前々からストーカーの気配を感じていたのですが、ついに家の中にまで来てしまったというわけです。

それからは主人公の家で一緒に暮らすようになったのですが、ある日突然、彼女は失踪。

なぜ失踪したのか全くわからない主人公は、失踪の手がかりを求めて奔走する。そんな話です。

感想

表現力がめちゃくちゃ高くて、読み応えがありました。

彼女が失踪した原因を突き止めるミステリー小説と説明することもできるんですけど、本質はそこじゃないですね。

この本の見どころは、人の内面を表現する上手さにあります。

タイトルにあるとおり、この本では所々に傲慢さや善良さについて描写しているシーンが散りばめられています。ただ、ここで言う傲慢さとか善良さというのは、なにも特別な人のことを言っているわけではなくて、誰の心にも潜んでいるものを意味しています。

例えば親って、自分の子供のことをいつまでも子供扱いする傲慢さがありますよね。こんな感じで、誰でも持っているような内面を高い表現力を持って記述してくれているので、素直に凄いと思いました。

結婚に関する深い考察も散りばめられていますので、30歳前後の方に刺さる本かなと思いました。

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