この記事は、下記の動画を文字起こしした内容となっております。
こんにちは、こんばんは、TKです。
この動画は聴くだけでも理解できる構成にしていますので、目を休めたい方・運転中の方などは、ぜひ音だけでお楽しみください。
今回ご紹介するのは、藤尾秀昭さんの著書「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」という本です。
本書は、365人もの著名人が語る「心が熱くなるお話」を1日1話形式でまとめることで、僕たちに学びと情熱を与えてくれる内容となっております。
本書は、
- 発売即28万部突破のベストセラー
- 2021年上半期ランキング第1位(自己啓発書・オリコン調べ)
- 17週連続ベストテン入り(1/25~5/30 ビジネス書・トーハン調べ)
- 2020年ブクログ年間ランキング第1位(評価順)
- ベストブック2021・ビジネス書ランキング第2位(週刊東洋経済)
と、とにかく売れまくって話題になっている1冊ですので、ご存じの方も多いと思います。
実際に手に取って読んだ感想としましては、やはり、結果を出した人の言葉には重みがあると感じましたね。
本書には、王貞治さん・羽生善治さん・渋沢栄一さん・孫正義さんといった、誰もが知る人のインタビューも多く掲載されておりまして、その人達の言葉を読んだら、タイトル通り心が熱くなりました!
そんな本書に掲載されているインタビューは、創刊42年の歴史を持つ「致知」という雑誌から来ています。
「致知」は、いつの時代でも仕事にも人生にも真剣に取り組んでいる人たちはいる。そういう人たちの心の糧となる雑誌を創ろう。という創刊理念をもととして、1978年に創刊された歴史のある雑誌です。
創刊してからインタビューをした人の人数は、なんと1万人以上!
その1万人の中には、自らの歩みを一遍の詩のような言葉で語る人、深い人生の本質をやさしい言葉で語る人、物語のような人生をひたむきに生きた人、悲しみの底に光るものを見つけた人、人生を通じて人生の秘話・普遍の真理をつかんだ人、人との出会いで運命を大きく変えた人、与えられた環境の中で運命を呪わず精一杯生きた人、それぞれの人にそれぞれのドラマがありました。
そして、そんな「致知」の編集長である藤尾秀昭さんが選びだした365の熱い言葉をまとめたのが、今回ご紹介する「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」というわけです。
今回は、そんな本書の中から僕が個人的にグッときたお話を3つご紹介します。
具体的なテーマは以下の通りです。
- ① 教えてもらったことは忘れる
- ② プロは絶対にミスをしてはいけない
- ③ 努力の上の辛抱という棒をたてろ
では、1つ目のテーマから見ていきましょう!
① 教えてもらったことは忘れる
1つ目のお話は、すぎばやし次郎主任の小野二郎さんによる「教えてもらったことは忘れる」です。
すぎばやし次郎は銀座に店を構える寿司屋でして、第44代アメリカ大統領のオバマが訪れるような超一流店になります。
そんな超一流店の主任を務める小野さんは、インタビューの中でこんな言葉を残しました。
親方とか先輩に教えてもらおうと思って入ってくるのは大きな間違いで、自分が上の人のやり方を盗んで勉強し、進歩していかなければならない。というのは、教えてもらったことというのは忘れるんですよね。自分が盗んだものは忘れない。会社なんかでも同じだろうと思うんだけど、ポッと教えてやったら忘れちゃいます。自分が苦労して苦労して、これを必ず自分のものにしようと思って、やっと盗んだものは決して忘れない。
はい、いかがでしょうか?
僕はこの言葉、めちゃくちゃわかります。
どんなに教え方が上手かったとしても、教わる側に「苦労」がないと忘れちゃうんですよね。
例えばあなたも、小中高の12年間であらゆる教科を勉強してきたと思いますが、教わったことの9割は忘れていますよね?
逆に、必死になって勉強した内容とか、一生懸命練習したスポーツの動作とかは、今でも体に染み付いていると思います。
僕は大学に入るために小論文が必要になったのですが、そのときに必死になって勉強したので、8年経った今でも小論文を書くことができます。
だから、小野さんの言うように、苦労することはすごく大事だと思うんですよね。
ただ、この苦労することを避けようとするのが、最近の流れになります。
僕はこの小野さんのお話を読んだとき、真っ先に思い浮かんだのが、ホリエモンの修行に対する発言でした。
ホリエモンは過去に、「寿司職人が何年も修行するのはバカ」という言葉を残しています。
はい、この発言、どう思いますか?
僕は、違和感を覚えました。
寿司を握る技術自体は、ホリエモンの言うように3ヶ月で身につくと思います。
でも、寿司って技術だけ身につければいいというものじゃない気がするんですよね。
小野さんもインタビューの中で、「何事も一番底辺から覚えていかなかったら、一人前にはなれません」と語っています。
たしかに、ホリエモンが言うように、寿司を握る技術自体は3ヶ月で身につきますよ。
ただ、その人が一人前の寿司職人になれるか?と言われば、僕は厳しいと思います。
なぜなら、一流の店を作ろうという情熱を保てないからです。
たった3ヶ月の修行では、寿司に対する執着は生まれないですよね。
だから、いざ独立するとなっても、細部に渡ってこだわりきるような一流の店は作れないと僕は思います。
はい、いまお話しているテーマのタイトルは「教えてもらったことは忘れる」なので、なんか話が飛躍しているように感じているかもしれません。
ただ、小野さんが伝えたいことは、単に「教えてもらったことは忘れるよ」ということじゃありません。
小野さんが伝えたいことは、「苦労がないと大きなことは何もなし得ない」ということなんです。
3ヶ月の修行で、美味しい寿司を握ることは絶対にできます。
ただ、それで終わりなんですよ。
人が料理にお金を払うときって、味のレベルだけが重要なわけじゃないですよね。
他にも、店の雰囲気・職人の人間性・食材へのこだわりといった非常に曖昧な部分にお金を払うこともあります。
そういう曖昧で表面的でないことは、苦労がないと絶対にこだわりきれない。
そんなメッセージを、小野さんは伝えたいのです。
つまりここで言いたいのは、「要領よく処理できればいい事柄に関しては、コスパの良い方法を選択すればよくて、一流を目指したいのなら苦労して底辺から積み上げることが必須」ということですね。
ホリエモンと寿司職人の間で論争が巻き起こるのは、「要領よく済ませたい人」と「一流を目指す人」を切り分けていないからなんです。
なので、例えば自分が食べるだけの料理に関しては、クックパッドなどを利用して、要領よく作ればOKです。
ただ、もし一流の料理人になりたいのであればクックパッドではダメで、苦労して苦労して、料理に執着が生まれるような過程を踏むことが必要になると思いました。
② プロは絶対にミスをしてはいけない
はい、2つ目のお話は、王貞治さんによる「プロは絶対にミスをしてはいけない」です。
王貞治さんといえば、868本のホームラン数を記録した偉大な野球選手として有名ですよね。
そんな王さんは、インタビューの中でこんな言葉を残しました。
よく「人間だからミスはするもんだよ」と言う人がいますが、初めからそう思ってやる人は、必ずミスをするんです。
基本的にプロというのは、ミスをしてはいけないんですよ。プロは自分のことを、人間だなんて思っちゃいけないんです。
はい、いかがでしょうか?
かなり厳しい意見ですよね。
正直に言うと僕は、「いや、自分のことを人間だなんて思っちゃいけないって、それは言いすぎでしょ!」と思っちゃいました。
こういう意見を持ってしまうのが、本物とそうじゃない人間の違いなんですかね…。
補足しておくと、王さんだってプロがミスをすることは知っていますし、王さん自体がミスをしたこともあるでしょう。
ただ、ここで重要なのは、「ミスをしてもいいや」という気持ちを捨てることにあります。
僕は凡人なので、「ミスをすることを前提に行動するべき」という考えを持っているんですよ。
しかし王さんはそうじゃなくて、今目の前にきた球を打ち取ることだけを考えています。
「もし打てなかったら」なんて考えていないんですよ。
では、なぜそこまで目の前の球に集中できるのでしょうか?
それは、一打一打を真剣勝負と捉えているからですね。
具体的には、以下のような言葉を王さんは残しています。
真剣で斬り合いの勝負をしていた武士が「時にはミスもある」なんて思っていたら、自らの命に関わってしまう。
だから彼らは、絶対にそういう思いは持っていなかったはずです。時代は違えど、命懸けの勝負をしているかどうかですよ。
はい、いかがでしょうか?
僕はちょっと、マネできないなぁと思ってしまいました。
打席に立つたびに、「この球を打てなかったら命を落とす」という気持ちを保つなんて、僕には無理ですね。
はい、ただですね、このエピソードから得られたことが全く無いわけじゃありません。
王さんほどの精神力を持つのは無理ですが、甘えを捨てることの大切さは身に染みて理解できました。
どんなチャレンジにも、必ずミスが発生します。
それは、事実です。
そして、ミスに対する対処を予め考えておく必要もあるでしょう。
ただ、「失敗したときの逃げ道として対処を考えること」はしちゃいけないと思いました。
逃げ道を作っちゃうと、必ず甘えが生まれてしまいますからね。
なので、何かチャレンジするときは、「最悪の事態だけは避けられるようにする」のが妥当な発想だと思います。
例えば脱サラして起業しようと思ったら、「起業が失敗に終わっても、死なない程度の蓄えは残しておく」というイメージですかね。
まあ、王さんならその蓄えすら考えずに取り組むのかなと思います…。
ただ、僕たちが王さんの精神力をマネするのは相当に難しいです。
なので、「最悪の事態だけは避けられるようにする」という意識さえ持てれば、真剣に取り組むための心構えとしては十分だと思いました。
③ 努力の上の辛抱という棒をたてろ
はい、3つ目のお話は、落語家の桂小金治さんによる「努力の上の辛抱という棒をたてろ」です。
タイトルだけ見ると、「努力するのは苦労が伴うけど頑張れよ!」という主張に見えるかもしれませんが、ちょっと違います。
もちろん、努力の大変さを語っている部分もあるのですが、僕が感動したのはラストの結末なんですよ。
とても感動できますので、ぜひお付き合いいただければと思います。
10歳の少年だったある日、桂さんは友達の家に遊びに行きました。
すると、友達の家にハーモニカがあったので、それを吹いてみたそうです。
そしたら上手に演奏できてしまって、桂さんはハーモニカが欲しくなってしまいます。
あまり裕福で無かった桂さんはダメ元で、ハーモニカが欲しいとお父さんに頼んだのですが、断られてしまいました。
しかしその代わりとして、榊の葉を渡されます。
そして一言「いい音ならこれで出せ」と言われました。
ただ、思った以上に草笛を鳴らすのが難しくて、桂さんは数日で諦めてしまうんですよ。
するとお父さんから、こんなことを言われました。
「おまえ悔しくないのか。俺は吹けるがおまえは吹けない。おまえは俺に負けたんだぞ」
「一念発起は誰でもする。実行、努力までならみんなする。そこでやめたらドングリの背くらべで終わりなんだ。一歩抜きん出るには努力の上の辛抱という棒を立てるんだよ。この棒に花が割くんだ」
はい、いかがでしょうか?
なかなか熱いお父さんですよね。
桂さんはこの言葉を受けて、来る日も来る日も草笛の練習をします。
するとある日、ようやく桂さんは草笛を吹けるようになりました。
そしてその草笛をお父さんに披露すると、こんなことを言われます。
「偉そうな顔をするなよ。何か一つのことができるようになった時、自分一人の手柄と思うな。世間の皆様ののお力添えと感謝しなさい」
はい、「そこは褒めてあげてもいいじゃん!」という感じですよね(笑)。
ただ、この言葉から「人に感謝することの大切さ」に桂さんは気がついたそうです。
そして翌日、目を覚ますと枕元には、なんとハーモニカが置いてありました!
喜んでお父さんの元に駆け寄ると、桂さんはこう言われます。
「努力の上の辛抱を立てたんだろう。花が咲くのは当たりめえだよ」
はい、もうカッコよすぎですね!
しかもこのハーモニカは、草笛が吹けるようになる3日前から買ってあったそうです。
なぜならお父さんは、桂さんが草笛を吹けるようになると信じていたからです。
いやー、お父さん、ホント素敵な方ですよね。
僕はこのエピソードを見て、「努力をすれば必ず誰か見てくれているし、結果を出したときに嬉しい出来事が待っている」と思えましたね。
今僕は、全く目が出ない物事に挑戦中です。
しかし、ここで努力をやめることはしません。
桂さんのように花を咲かせ、密かに見守っている人の気持ちに応えられるよう、頑張っていきます!
まとめ
はい、これで「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」の解説は以上になります。
ではまとめとして、今回ご紹介した内容をサクッと振り返りましょう。
- ① 教えてもらったことは忘れる→苦労がないと大きなことは成し得ない
- ② プロは絶対にミスをしてはいけない→最悪の事態だけを想定すればいい
- ③ 努力の上の辛抱という棒をたてろ→努力する姿は誰かが見守ってくれている
はい、今回のお話、いかがでしょうか?
どのお話も、心に火をつけてくれるような素晴らしいものでしたよね。
ただ、今回お話した内容は本書の1部分であり、まだまだ紹介できていないことがたくさんあります。
今回は365あるうちの3つのお話を紹介しただけで、心を熱くするお話があと362も掲載されています。
興味を持った方はぜひ本書を手にとって読んでみてください。
では、本書を読んで最も心に残った「神の一文」をご紹介して終わりにします。
「一念発起は誰でもする。実行、努力までならみんなする。そこでやめたらドングリの背くらべで終わりなんだ。一歩抜きん出るには努力の上の辛抱という棒を立てるんだよ。この棒に花が割くんだ」
はい、以上になります。
ご清聴、ありがとうございました!