この記事は、下記の動画を文字起こしした内容となっております。
こんにちは、こんばんは、TKです。
今回ご紹介するのは、樺沢紫苑さんの著書「精神科医が教える病気を治す 感情コントロール術」という本です。
本書は、病気になりやすい人の特徴を「感情」に焦点を当てて理解することで、病気を治しやすい人、病気になりにくい人を目指す内容となっております。
「病は気から」
この言葉、一度は聞いたことありますよね?
これってなんか根性論っぽく聞こえますけど、全くそんな事はないんですよ。
むしろ「病は気から」という言葉には、科学的な根拠があります。
そしてその気は、普段使う言葉だったり、病気との向き合い方を変えることで良い方向にコントロールできるのです。
今回の動画を見ていただければ、「そういう習慣を心がけるだけで、病気に負けない人になれるんだ!」という気づきを得ることができます。
また、著者の樺沢さんはとても映画がお好きな方なので、例え話として映画のワンシーンを入れてくるところが面白かったですね。
具体的には、「最高の人生の見つけ方・ダラスバイヤーズクラブ・永遠の僕たち」このような名作のワンシーンを入れてくれるので、感情移入しつつ読むことができました。
はい、では話を戻します。
今回は、以下3つのテーマで解説を進めていきます。
- 病気と闘わない
- 悪口が病気になる原因
- 感謝で病気は治る
では、1つ目のテーマから見ていきましょう!
① 病気と闘わない
はい、1つ目のテーマは「病気と闘わない」です。
「えっ?病気と闘わないって、どういうこと?」って感じですよね。
僕も最初見たとき「ん?」ってなりましたが、このテーマには深い意味があります。
特に「闘わない」という言葉が重要なポイントになりますので、詳しく説明します。
なぜ、病気と闘ってはいけないのか?
結論を言うと、ストレスが増えるからです。
闘えば闘うほどストレスが増え、免疫力や自然治癒力が低下するので、病気の症状はどんどん悪くなります。
さらに、闘うことでストレスホルモンであるアドレナリンやコルチゾールが分泌され、体に悪影響を及ぼします。
ただ、このストレスホルモンは、悪いことばかりじゃありません。
アドレナリンが分泌されることで、心拍・血圧・呼吸数が増大、骨格筋への血流増加、発汗などの反応が引き起こされます。
つまり体は、戦闘モードになるのです。
なので短期的に見れば、アドレナリンが分泌されるとパワフルになったように感じます。
しかし、アドレナリンの分泌が長時間続くと、体を酷使することになってしまいます。
心拍と血圧が上がるので、そのたびに血管が収縮して、しだいに血流が悪化して、全身の細胞に栄養が行き渡らなくなるんですよ。
また、アドレナリンは血小板と呼ばれる「出血したときに血をかためる成分」の働きを活発化させます。
つまり、いわゆる「血液がドロドロ」の状態になってしまうのです。
まとめると、アドレナリンが分泌されることで、血管の老化が加速して、心筋梗塞や脳卒中などの病気になるリスクが高まってしまいます。
なので、闘えば闘うほど、治らない体になっちゃうんですよ。
なので樺沢さんは、「闘病」を良くない言葉と表現しています。
病気を敵として闘っても、結局体がボロボロに向かっていくだけですからね。
じゃあ、僕たちは病気になったときに、病気とどう向き合えばいいのでしょうか?
結論を言うと、病気を「保護装置」と考えればいいと、樺沢さんは言います。
ちょっとこれだけだと意味がわからないと思いますので、「うつ病になったAさん」という架空の人物を例を交えて詳しく説明します。
仕事がめちゃくちゃ忙しいAさんは、毎日23時過ぎまで残業をし、終電で帰宅する日々を送っていました。
土日も仕事で、休む暇がありません。
睡眠時間は毎日4時間です。
そんな日々を過ごしていたら、だんだんと疲れが溜まっていき、気分が落ち込み、ついには会社に行けなくなってしまいました。
そこで病院を訪れると、「うつ病」とAさんは診断されます。
Aさんは、「なんで自分はうつ病なんかになったんだ…」と悩み、病気を呪いました。
しかし、ここで病気を呪うのではなく、「保護装置」と考えることはできないでしょうか?
もしAさんがうつ病になっていなかったら?そう考えると、うつ病を呪うことも無くなります。
うつ病の原因はストレス、睡眠不足、生活習慣の乱れなどがあります。
ある水準を超えると、人はやる気を一切失って、働くことができなくなるのです。
しかしこのうつ病は、「保護装置」としてとても大事な役割を担っています。
もしうつ病が無ければ、Aさんは体がボロボロになっているにも関わらず、永遠と働き続けていたでしょう。
そして最終的には、心筋梗塞や脳卒中になり、過労死していたかもしれませんよね。
つまりAさんは、「うつ病になったおかげで、過労死を回避できた」ということです。
うつ病は、「これ以上働くと体が壊れちゃうから、休みましょうね」というサイン。
そう捉えることで、病気と闘うという発想はなくなります。
今はうつ病に焦点を当てたお話をしましたが、その他の病気も同じように「保護装置」の役割があります。
つまりストレートに表現すると、病気は「味方」なんですよ。
今の表現を聞いて、「きれい事言うな!」「病気で苦しんでいるのは事実だろ!」とお怒りの方もいるかもしれません。
もちろん、その指摘は正しいと思います。
しかしここで大事なのは、「とらえ方を変える」ということです。
病気はしょせん病気ですから、苦しいのは事実です。
しかしどんな病気だって、とらえ方でポジティブなことに変換できます。
そしてポジティブなことに変換することで、治りにくい体とおさらばできるのです。
今病気で苦しんでいる方にいきなり、「病気は味方だよ」と言っても、受け入れてもらえないと思います。
そんな方でも、「病気と闘うとよけいに症状が悪化する」という事実だけは覚えておいてください。
ちょっとずつでいいので、病気を味方と思える面を自分なりに見つけて、病気と正しく向き合っていきましょう。
② 悪口が病気になる原因
はい、2つ目のテーマは「悪口が病気になる原因」です。
もし普段から悪口を言う習慣があれば、ぜひその習慣をゴミ箱に捨ててください!
なぜなら、悪口を言うと病気になりやすくなるからです。
実は樺沢さんは本書の中で、「病気の治らない患者さんの特徴を1つ言えと言われたら、私は”悪口が多い”を挙げます」という衝撃の告白をしています。
生活習慣が悪いとかじゃなくて、悪口が1番の原因というのは、結構衝撃的ですよね。
では、なぜ悪口を言うと病気が治らなくなるのでしょうか?
理由は、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されるからです。
コルチゾールが分泌されると、免疫力が低下するので、様々な病気の原因となってしまいます。
ここで、よりこの主張の信頼性を高めるために、実際に悪口を言ったことで病気のリスクが高まった研究をご紹介しますね。
フィンランドの脳神経学者トルパネン博士とその研究チームは、平均年齢71歳の1449人にある調査を行いました。
その人達に、普段悪口をどれだけ言っているかを質問したんですよ。
すると、悪口を多く言う人は、そうでない人に比べて、3倍も認知症になるリスクが高まることがわかりました。
この研究結果を聞いてどう思いましたか?
おそらく、「悪口を言われてストレスが高まるのはわかるけど、なんで言っている人もストレスが高まるの?」と思いましたよね。
これには、ちゃんとした根拠があります。
実は人間は、主語を理解できないんですよ。
例えば、「バカヤロー!」という言葉があります。
もちろん、別にあなたに向けて「バカヤロー!」と言ったわけじゃないのですが、なんとなく不愉快な気分になりませんでしたか?
なんで不愉快な気分になったかというと、主語を理解できていないからです。
記憶や感情をコントロールする大脳辺縁系は、「古い脳」呼ばれ、文章の主語を理解できません。
つまり「バカヤロー!」という言葉が誰に向けられているとか関係なくて、単にその言葉の情報のみに脳は反応しちゃうんですよ。
だから悪口を言えば言うほど、どんどん自分まで不快な気分になるんですね。
悪口を言っても、自分と周りのストレスを高めるだけで、良いことなんて全くありません。
もし悪口を言いそうになったらこのお話を思い出して、悪口を言わないように意識してもらえたら幸いです。
③ 感謝で病気は治る
はい、3つ目のテーマは「感謝で病気は治る」です。
先程、「悪口が病気になる原因」というテーマのお話をしました。
勘の良い方は、「ということは、裏を返せば、良い言葉を口にすれば病気が治るのでは?」と思ったはずです。
その発想、大正解です!
実は感謝の言葉を口にすることで、病気のリスクが下がることが明らかになっています。
カリフォルニアのサンルイス病院が、こんな調査を行いました。
病気や怪我などの明確な原因がないのに痛みが続く病気の患者に、ありがたいと感じていることに対し、深く感謝する瞑想を4週間行ってもらいました。
すると、その患者たちの痛みは明らかに減ったそうです。
原因がわからない病気に悩んでいたのに、感謝するだけで症状が和らぐなんて凄いですよね。
じゃあなぜ、感謝が症状を和らげることになったのか?ここが気になりますよね。
結論を言うと、
- 感謝の脳内物質「エンドルフィン」
- 愛と親切のホルモン「オキシトシン」
この2つが分泌されるからだと、樺沢さんは考えています。
エンドルフィンには、免疫力や修復力を高める効果があります。
また、あらゆる病気のもとになる活性酸素を撃退する働きもあるので、エンドルフィンを出せば出すほど、体は健康になっていきます。
オキシトシンは、「人への信頼感が増す」「ストレスが消え、幸福感が高まる」「血圧の上昇を抑え、心臓の機能をよくする」「長寿になる」といった素晴らしい効果をもたらしてくれます。
オキシトシンは恋愛感情を抱いたときや、母親が授乳しているときに分泌されるので「愛情ホルモン」とも呼ばれるそうです。
しかし最近の研究では、「親切をする」「人とのつながりを感じる」という過程でもオキシトシンが分泌されることが明らかになっています。
そして、感謝をすることは「親切」や「人とのつながり」と関連性が強いので、感謝でもオキシトシンが分泌されるということです。
具体的な行動としては、些細なことでも感謝する、親切なことをする。
この2点を日常の中で実践してもらえると、「ありがとう」を耳にする場面が増え、あなたはどんどん健康になっていきます。
誰でも簡単にできることだと思いますので、ぜひあなたと周りの人の健康のためにも、「ありがとう」の言葉を生み出していってください!
まとめ
はい、これで「精神科医が教える病気を治す 感情コントロール術」の解説は以上になります。
ではまとめとして、今回ご紹介した内容をサクッと振り返りましょう。
- ① 病気と闘わない
- ② 悪口が病気になる原因
- ③ 感謝で病気は治る
以上3つのテーマについて解説しました。
「病気と闘わない・悪口を言わない・ありがとうを言う」これだけで人は健康に近づけることを理解してもらえたら幸いです。
ただ、今回お話した内容は本書の1部分であり、まだまだ紹介できていないことがたくさんあります。
特に第6章:家族が「寄り添う」と病気は治るのお話の中で、白血病の少女と樺沢さんがやり取りをするシーンがあるんですけど、そのシーンがとても深くて、考えさせられる内容となっているんですよ。
ここはぜひ本書を手にと取って、読んでほしいと思いました。
はい、では本書を読んで最も心に残った「神の一文」をご紹介して終わりにします。
他人を信じ、他人に感謝すると、病気は治る。
スピリチュアル関連の本にもよく書かれていますが、それは「スピリチュアル」でも「自己暗示」でもありません。
脳科学や心理学の数多くの研究が、信頼や感謝で病気がよくなることを裏付けています。
はい、以上になります。
ご清聴、ありがとうございました!