この記事は、下記の動画を文字起こしした内容となっております。
こんにちは、こんばんは、TKです。
今回ご紹介する本は、「世界一しあわせなフィンランド人は、幸福を追い求めない」という本です。
本書は、なぜ人は人生に意味を求めてしまうのか?という深い疑問を解き明かしつつ、僕たちが幸せに生きる方法をフィンランド人の生活様式を交えつつ教えてくれます。
実はフィンランドは、2018年と2019年の世界幸福度ランキングで1位を獲得しているんですよ。
そんなデータを聞くと、なぜフィンランド人が幸せなのか気になりますよね。
その理由については、動画内でしっかり解説させていただきます。
本書の著者は、フランク・マルテラ。
彼はフィンランド出身の心理学者です。
したがって、彼が語る「フィンランド人が幸せな理由」には非常に説得力を感じます。
では、さっそく本書の解説に移りましょう。
今回の動画は以下3つのテーマについて解説します。
- なぜ人生に意味を求めてしまうのか?
- フィンランド人が幸福な理由
- 人のために行動せよ
この動画を最後まで見ていただければ、「自分の生きる意味とは?どうやったら幸せになれる?」そんな深い悩みから解放されるキッカケをつかむことができます。
ぜひ、お楽しみください。
なぜ人生に意味を求めてしまうのか?
はい、最初テーマは「なぜ人生に意味を求めてしまうのか?」です。
かなり哲学的なタイトルですね。
あなたも1度は「人生の意味」について考えたこと、あると思います。
そして答えが見つからずに、モヤモヤした日々を過ごしてしまうんですよね…。
では、そもそもなぜこんな事を人は考えてしまうのか?
その理由を考えていきましょう。
内省が原因
結論から言うと、「内省」が原因です。
内省とは、「自分自身について客観的目線で見つめ直すこと」を意味しています。
この内省という行動、もちろんメリットもあります。
内省をするからこそ、人は過去から学び、未来を計画することができるのです。
つまり僕たちが多様な電化製品に囲まれているのも、多様なエンタメに囲まれているのも、全ては内省があるからなのです。
ただ、内省にはデメリットもあります。
それは「余計なことを考えてしまう」というデメリットです。
内省をすることで、「過去の失敗」や「未来の不安」についても考える時間が生まれてしまいます。
そんなネガティブなことを考えていると、今を生きることができなくなりますよね。
そして内省をしすぎて「人生の意味とは?」という深い悩みにたどり着いてしまうのです。
現代は自由になりすぎた
では、さらに深堀りしていきます。
「人生の意味」を考えてしまう原因は、「人間は内省をするから」と言いましたが、他にも理由はあります。
それは「自由になりすぎたこと」です。
この一言だとイメージが湧きにくいと思いますので、本書からこの一言を説明する文章をご紹介します。
社会心理学者、精神分析学者のエーリッヒ・フロムは、早くも第二次世界大戦中に、現代人はかつて人間を縛っていた「前個人主義的封建社会の絆からは自由になっている」と言った。この自由を得たことで、人間はついに自己実現のできる自立した個人へと進化したと喜ぶ人は多かったが、実際には良いことばかりではなかった。確かに窮屈な思いをすることが多かったとはいえ、伝統的な文化の枠組みは、人間にある種の安心感も与えていた。(中略)
残念ながら、新しい自由な文化には、適切な、安心できるような枠組みは用意されていない。そうなると当然、多くの人が不安の中で生きることになる。
はい、いかがでしょうか?
僕はこの文章、とても納得できました。
人って常に自由を求めますが、自由になったらなったで、不安な気持ちが増大しちゃうんですよね。
例えば小学生のとき、「自由に小学校を選びたい!」なんて思いましたか?
思っていませんよね?
ほとんどの方は勝手に入る小学校が決まりましたが、別に不満も無かったと思いますし、それなりに楽しくやっていたと思います。
そして中学・高校・大学・社会人とステップアップするにつれて、選択肢は増えていきます。
「自由」という観点で見れば、選択肢が増えるのは嬉しいことです。
しかし、適切な道を選ぶのって結構大変ですよね。
というか、適切な道を選ぶなんて不可能だと思います。
では、長くなってきたのでこの辺りでまとめます。
要するにここで言いたいのは、「選択肢が多すぎるから、人生の意味とか考えちゃう」ということです。
一昔前は生まれた家柄で仕事や文化が決まっていたので、「人生の意味」なんて小難しいことを考える必要がなかったんですよ。
しかし現代は、どこで生まれたって自由に仕事を選べますし、好きな文化に染まることも容易です。
ただその結果として「人生の意味」を考えて行動する必要が出てきた、ということですね。
脳の仕組みや環境が原因だと受け止める
では、ここまでのお話を振り返ります。
僕たちは
- 内省をする
- 自由になりすぎた
以上2つのことが原因で「人生の意味」を考えてしまうのです。
つまり「人生の意味」を考えしまうのは、「脳の仕組みや環境が原因」ということです。
まずは、この事実を受け止めることが重要になります。
この事実を知ったからと言って、「人生の意味」を考えすぎて悩むことから完全に解放されるわけではありません。
ただ、「人生の意味なんて、結局は脳の仕組みや環境のせいで考えていること。そんなに深い意味はない」と考えることができます。
このように考えれば、「人生の意味」で悩む時間も少しは楽になるはずです。
誤解のないように言っておきますが「人生の意味を持つこと、考えること」を完全に否定しているわけではありません。
「俺は困っている人を救うために生まれてきた!」と崇高な意思を持って生きるのは、素晴らしいことだと思います。
ただ、そのようなカッコいい意思がなくても、悩む必要なんてありません。
「人生の意味」を明確にしなくても、人は幸せに生きられます。
では次のテーマで、フィンランド人が幸せに生きられる理由を考えていきましょう。
まだモヤモヤが晴れない人は、次のテーマをじっくり聞いてほしいと思います。
フィンランド人が幸福な理由
冒頭でも解説しましたが、フィンランドは2018年と2019年の世界幸福度ランキングで1位を獲得しました。
なぜフィンランド人は幸福に生きられるのか?
その理由は以下2つです。
- 生活基盤が整っているから
- ヘヴィメタルを歌っているから
それぞれ解説します。
生活基盤が整っているから
日本もそれなりに豊かな国として有名ですが、フィンランドには敵いません。
フィンランドは、
- 教育費が無料
- 学歴社会じゃない
- 残業しない
- 18歳未満の医療費はタダ
という日本では考えられない特徴があります。
このように「教育・労働・医療」といった生活基盤に不安が無いことが、幸福の質を高めていると推測できます。
この推測から言えることは、「幸福とは不安を取り除くことである」ということです。
この結論は、前回解説した「幸福について」でも言われていました。
さらにこのお話を深堀りすると「幸福は積極的に追い求めるものではない」と考えることができます。
だから幸せになるために、ブランド品を買ったりする必要はありません。
不安を取り除くという観点で考えると、貯金をしたほうが理にかなっているのです。
ヘヴィ・メタルを歌っているから
はい、2つ目の理由は「ヘヴィ・メタルを聴いているから」です。
「なんじゃそりゃ?」と思いましたよね。
でもこの理由、ホントに書いてあるんですよ。
では、ヘヴィ・メタルについて書かれた本書の文章をご紹介するので、ご覧ください。
フィンランド人の人たちの幸福にヘヴィ・メタル音楽が重要な役割を果たしていることは見過ごせない。普段控えめでつつましく、それに誇りを持っているフィンランドの人たちにとって、ヘヴィ・メタルは精神を解放し、浄化する作用を果たしているように見える。大声で叫ぶことで、抑えつけられていた負の感情を外に出すことができる。カタルシスが得られるということだ。それは本人が自覚する以上に、重要な役割を持っている可能性がある。
はい、いかがでしょうか?
「カタルシスが得られる」この文章に注目してください。
カタルシスというのは、「心の中にある苦悩などのネガティブな感情を浄化する」という意味です。
そしてこのカタルシスを得るのに有効なのが、「ヘヴィ・メタル」になります。
実はフィンランドでは、ヘヴィ・メタルが主要な音楽らしいです。
ヘヴィ・メタルは重い歌詞が特徴なのですが、それが心の中にあるネガティブな感情を浄化するのに作用すると、著者のフランクは考えているのです。
フィンランド人ならではの発想ですよね。
なかなか面白いと思いました。
この理論で考えると、HIPHOPを聴くのでもいいのかなと思います。
HIPHOPもネガティブな歌詞が多いですからね。
もともとHIPHOPは好きでしたが、これを機にもっと聴いてみます。
少し話が戻りますが、今のヘヴィ・メタルのお話を聴いて、「幸福とは不安を取り除くことである」ということが再認識できたと思います。
「幸福とは不安を取り除くことである」この意識を持って生活することで、自然と幸福に近づけると覚えておいてください。
人のために行動せよ
はい、ここまでのお話で、「人生の意味を深く考える必要はない」「幸福とは不安を取り除くことである」という主張が伝わっていると思います。
つまり「人生の意味・幸福」は積極的に求めるものじゃない、という考えですね。
ちょっと寂しい考えですが、僕はそれなりに納得しています。
しかし、「人生に意味は無く、幸せを求めて行動することはできない」とも思いません。
人生に大きな意味を感じている人、大きな幸せを感じている人は世の中にたくさんいます。
では、そのような人たちにはどんな共通点があるのか?考えていきましょう。
結論から言うと「人のために行動すること」で人は人生の意味を見出したり、幸せを感じらます。
なぜなら、「人のために行動すること」で人生には意味があると感じられるし、自分の健康レベルも高められるからです。
まず、「人生には意味があると感じられる」という主張から解説します。
ロチェスター大学は、こんな実験を行いました。
学生を集め退屈で簡単なゲームを行わせたのですが、半数には何も言わなかったのに対し、もう半数には「正解するごとに国連世界食糧計画(WFP)に寄付がされます。それで世界の飢えている人たちを助けることができますよ」と伝えました。
すると、ゲームによって寄付がされると伝えられた学生たちは、ゲームをした体験をはるかに意味深いとみなす傾向が見られたのです。
つまりどんなに退屈な作業だったとしても、それが他人に良い影響を与えることを知っていれば、人はその作業に意味を見出すことができます。
では次に、「自分の健康レベルを高められる」という主張を解説します。
ブリティッシュコロンビア大学は、こんな実験を行いました。
血圧の高い人たちを集め、それぞれに週40ドルお金を3週間わたって渡し続けました。
半数には自分に使うように、もう半数には他人に使うように指示します。
すると、なんと他人のためにお金を使った半数は、自分のためにお金を使った半数に比べて、血圧が大幅に下がっていたそうです。
ドイツの哲学者ショーペンハウアーは「幸福の9割は健康で決まる」と言っていることからも、健康のレベルを高めることは幸福にとって重要になります。
以上の研究結果から、人のために行動すると人生の意味を見つけられ、幸福になると言えるでしょう。
ただ「人生の意味を見つけたい!」「幸福になりたい!」と力んで他人に貢献するのは、全くおすすめしません。
そんな力んだ状態では、逆に疲れて不幸になってしまうような気がします。
「結果的に自分のためになったらラッキー」くらいのゆるい感覚で、他人に貢献する意識を持ってほしいと思います。
まとめ
はい、これで「世界一しあわせなフィンランド人は、幸福を追い求めない」の解説は以上になります。
「人生の意味を考えなくていい、幸せは積極的に求めるものじゃない」という主張をした後に「人のために行動すると、意味が見つかったり幸せになったりするよ」という主張をしたので、だいぶ混乱しているかもしれません。
しかし、これはしょうがないことなのです。
人生の意味とか幸福はかなり曖昧な概念なので、明確な正解などありません。
つまり今回の動画を見てどうしてほしいかと言うと、「生き方を考えるキッカケにしてほしい」のです。
全くのゼロから生き方を決めるのは、とても難しいと思います。
しかし今回の動画を見たことで、人生の意味とか幸福には様々な考え方があることを知れましたよね?
その考え方をキッカケに、あなたの生き方を再構築していただければ幸いです。
なお、今回は本書のごく一部分を紹介したにすぎません。
本書読めば、もっと深い考察を得ることができます。
興味を持った方はぜひ、本書を手にとって読んでみてください。
(2024/09/16 12:37:34時点 Amazon調べ-詳細)
では、以上になります。
最後までご清聴、ありがとうございました!