当記事は、以下の動画を文字起こしした内容となっております。
https://youtu.be/BFLSiayCDjE
こんにちは、TKです。
人生を長く歩んでいると、どうしても避けられないものがあります。
体の不調、人間関係のしがらみ、ふいに訪れる喪失や不安…。
そんな現実に直面したとき、ふと「心が疲れたな」と感じること、ありませんか?
誰しもが、外からの出来事には無力に思える瞬間を経験します。
でも天風さんは、どんなに状況が厳しくても、
「心だけは、誰にも奪われない。だからこそ、自分で整え、自分で守り抜くんだ」
という姿勢を貫きました。
今回ご紹介する3つの言葉には、まさにその“心の取り扱い方”が凝縮されています。
苦しみや不安、そして「死」という重たいテーマにすら、静かに寄り添う言葉たち。
もし今、あなたの心がどこか揺れているなら――
天風さんの言葉が、きっと優しく支えになってくれるはずです。
では、さっそくご紹介していきます。
【第1章:「心まで病ますまい」――本当の強さとは】
まずご紹介したいのは、天風さんのこの言葉です。
「たとえ身に病があっても、心まで病ますまい。たとえ運命に非なるものがあっても、心まで病ますまい。」
誰しも、人生のなかで「自分ではどうにもできないこと」と出会います。
たとえば病気。あるいは、大切な人との別れや、想定外の出来事。
こうしたものは、どれだけ誠実に生きていても、ふいにやってくるものです。
でも天風さんは、そこでこう言います。
「体や運命がどうであれ、心までは侵されてはいけない」と。
この言葉の裏には、強い信念があります。
それは、心こそが人生をつくっているという考え方です。
状況がどうあっても、自分の心の向け方次第で、人生は暗くもなれば、明るくもなる。
つまり、運命や病は人生の“外側”で起こること。
でも心の状態は、人生の“内側”をつくるものなんです。
実際、病気になっても、明るく前向きに生きている人がいます。
反対に、身体は元気でも、不満や不安ばかりにとらわれて、幸せを感じられない人もいます。
違いを生んでいるのは、環境ではなく「心の姿勢」です。
天風さんは、この“心の姿勢”を鍛えることこそ、人間としての成長だと説いています。
それは、感情を抑えつけることではありません。
むしろ、不安や痛みがあることを認めながらも、そこに心を明け渡さない強さを持つ、ということです。
どんなに雨風が吹いても、根を深く張った木は倒れない。
それと同じように、どんな運命の嵐にさらされても、心に一本の軸が通っていれば、人は倒れずに立ち続けることができます。
「心まで病ますまい」――
それは、人生の波に飲まれそうなとき、自分を立て直すための大きな支えになる言葉です。
心が沈みそうなとき、ぜひこの言葉を思い出してみてください。
きっと、静かな勇気が湧いてくるはずです。
【第2章:「人間というものは、幸せに生きられるんですよ」――本来の自分を取り戻す】
次に紹介したいのは、天風さんのこの言葉です。
「人間というものは、幸せに生きられるんですよ、幸福にね。そういうふうにできてるんだから。」
この言葉、最初に聞いたとき、少し意外に感じるかもしれません。
なぜなら僕たちは、幸せを「努力して手に入れるもの」「条件がそろわなければ得られないもの」だと思いがちだからです。
でも天風さんは、そうではないと言います。
人間は、もともと幸せに生きるために生まれてきた存在なんだ。
つまり、苦しみや不幸のほうが“例外”なんだ、というわけです。
この考え方、まるで視点がひっくり返るような衝撃があります。
なぜなら、今ある不安や不満を「自分に何かが足りないからだ」と思い込みがちだから。
でも実は、本来の自分のあり方から少しずれてしまっているだけなのかもしれません。
たとえば、天気のいい日、ふとした会話で笑い合えた瞬間、美しい景色を見て感動したとき――
そんなとき、理由もなく「生きててよかった」と思えること、ありませんか?
あの感覚こそが、人間の自然な状態なんです。
つまり、「幸せ」は外から手に入れるものではなく、内側から湧き出るもの。
それを妨げているのは、環境ではなく、心の曇りかもしれないんです。
天風さんは、「幸福は、自分の心が整っているときに自然に湧いてくるものだ」と言います。
だからこそ、まず心を穏やかに保ち、自分自身と調和することが大切なんです。
現代は、情報も人間関係もスピードも、すべてが目まぐるしく変化しています。
だからこそ、自分の“幸せに生きられる力”を信じること。
そして、心を静かに整えて、本来の自分に戻っていくこと。
これが、人生をしなやかに生きていくうえで、何より大切なのではないでしょうか。
「人間というものは、幸せに生きられるようにできている」
この言葉は、自分にダメ出ししたくなるときほど、そっと思い出してほしい言葉です。
【第3章:「“死”を見つめることで、“生”の輝きが増す】
最後に紹介するのは、天風さんのこの言葉です。
「『生』を重点とするとね、生に対する執着念が盛んに燃えだすんです。しかし、『死』を重点とすると、今こうして生きていることのありがたさが、しみじみと感じられるんだよ。」
僕たちは普段、「生きること」を第一に考えています。
健康に気をつかい、老いを気にし、未来の不安を思い浮かべる――。
それ自体は自然なことですが、気がつくと「失いたくない」「死にたくない」という執着に変わってしまうことがあります。
そしてその執着が、逆に日々の不安や恐れを大きくしてしまうんです。
天風さんは、ここで大事な視点の転換を促しています。
「死」を避けようとするのではなく、ちゃんと見つめること。
それによって、「生きている今」そのものが、どれほど貴重でありがたいかに気づける――
そんなふうに言っているんです。
たとえば、ろうそくの火。
それがいつか消えると知っているからこそ、その灯りのぬくもりや静けさに、僕たちは心を動かされます。
もし「永遠に燃え続ける」と思っていたら、感動することもなく、ただ当たり前として流してしまうかもしれません。
人生もそれと同じです。
限りがあるからこそ、一瞬一瞬が大切で、尊くて、美しい。
「死」があるから、「生」がより深く、心に響いてくるんです。
天風さんは、「死」を恐れずに見つめることによって、逆に「生」の喜びに目覚める道を教えてくれました。
この言葉は、何気ない日常に、あらためて光を当ててくれます。
朝の光、家族の声、美味しいごはん、今日という一日――
こうした当たり前に見えるものが、どれほど愛おしいか。
それに気づける感性こそが、人生を豊かにする鍵なのかもしれません。
「死を見つめることで、生のありがたさがしみじみ感じられる」
この言葉は、立ち止まりたいときに、静かに心に置いておきたい名言です。
【まとめ】
今回ご紹介した天風さんの3つの名言。
どれも、目の前の状況に振り回されず、自分の心を見つめ直すきっかけになる言葉ばかりでした。
「たとえ身に病があっても、心まで病ますまい」
――体や環境は変えられなくても、心のあり方は自分で選べる。
その覚悟があれば、人生に飲み込まれることなく、自分の足で立ち続けることができます。
「人間というものは、幸せに生きられるんですよ」
――幸せは、外から与えられるものではなく、もともと人の内側に備わっているもの。
心を整え、自分と調和することで、人生は自然と温かみを取り戻していきます。
「死を見つめることで、生のありがたさがしみじみ感じられる」
――終わりがあるからこそ、今この瞬間の命がいとおしく思える。
死を遠ざけるのではなく、静かに見つめることで、生きることの尊さに気づけるのです。
天風さんの教えは、決してむずかしいことを言っているわけではありません。
ただ、**「心の力を信じなさい」**と、何度も私たちに語りかけてくれているのです。
ありがとうございました。