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中村天風

人生が苦しいのは“心の使い方”を知らないから。天風さんが教える、穏やかに生きる3つの法則

当記事は、以下の動画を文字起こしした内容となっております。

こんにちは、TKです。

今日は、人生の後半をどう生きるかに悩むあなたにこそ届けたい、中村天風さんの言葉を3つご紹介します。

天風さんは、病に倒れ、生死の狭間をさまよった経験から、“心の持ち方”こそ人生を変える鍵だと確信しました。

今回ご紹介する言葉には、どんな困難に直面しても、心の力で人生を立て直すことができる、という深い智慧が込められています。

最後まで見終わるころには、きっと、あなたの心が少しだけ軽くなっているはずです。

では、さっそくはじめましょう。

第1章:「一切の苦しみをも微笑みに変えていくようにしてごらん」

最初にご紹介するのは、天風さんのこの言葉です。

「一切の苦しみをも微笑みに変えていくようにしてごらん。そうすると、悲しいこと、つらいことのほうから逃げていくから。」

この言葉を読んで、あなたはどう感じますか?

「そんな簡単に微笑めたら苦労しないよ」と思ったかもしれません。

でも、天風さんの教えは、決して“無理に笑え”というものではありません。

この言葉の本質は、「心が整うのを待つのではなく、自分の意志で整える」という主体的な生き方にあります。

たとえば、人生で大きなトラブルに見舞われたとき、僕たちの心は強く乱れます。

「なんで自分だけが…」と恨んだり、「もうダメだ…」と落ち込んだりしてしまう。

でも、天風さんは、そんなときこそ“微笑み”という武器を使いなさいと教えているんです。

なぜなら、「心の状態」は「外の出来事」ではなく、「自分の態度」で変えることができるから。

ここで注目したいのが、“微笑み”の持つ科学的な力です。

実は、現代の脳科学でも、笑顔を作ることで脳内にセロトニンという幸福ホルモンが分泌されることがわかっています。

つまり、感情に任せて顔が笑うのではなく、先に笑顔を作ることで感情の流れを変えることができるんです。

天風さんは、自らの病との闘いのなかで、まさにそれを実感したんでしょう。

肺結核で余命わずかと宣告されたときも、「病気が心を壊すのではなく、心が病気を悪化させる」と気づきました。

そして、心を明るく保つ努力を始めた。

悲しみに飲まれるのではなく、先に笑う。先に光を見出す。

その積極的な姿勢こそが、天風さんの言う「積極心」なんです。

僕たちも日々の生活の中で、いろんな苦しみに出会います。

仕事の悩み、人間関係の不安、健康への不安――

でも、どんな苦しみも、心の持ち方次第で乗り越える力に変わる。

実際に、僕自身、落ち込んでいるときにふと天風さんのこの言葉を思い出して、

「そうだ、今こそ笑ってみよう」と口角を上げたことがあります。

最初はぎこちない笑顔でした。でも、不思議なことに、心が少しだけ軽くなったんです。

「自分の心を操作できるんだ」と思えたとき、自分自身への信頼が戻ってくるのを感じました。

苦しみに負けない方法は、「戦う」ことではありません。

苦しみに心を支配されず、自分から微笑みを投げかけてやることなんです。

まるで、怒りっぽい犬に対して、こちらが静かに優しく接すると、だんだん吠えるのをやめるように、

つらい出来事も、こちらが穏やかに受け止めると、自然と心が静まってくる。

苦しみそのものをなくすことはできなくても、苦しみへの態度は、僕たち自身が選ぶことができる。

そのことを、天風さんは「微笑みなさい」とシンプルな言葉で伝えてくれているんです。

第2章:「死ぬときは死ぬって思ってりゃ、恐ろしくない」

次にご紹介するのは、天風さんのこんな言葉です。

「恐ろしがっても恐ろしがらなくても、死ぬときは死ぬって思ってりゃ、恐ろしかないでしょう。」

この言葉は、一見すると突き放すようにも聞こえるかもしれません。

でもその裏には、天風さんなりの深い慈しみと、現実を受け止める強さがあります。

年齢を重ねてくると、「死」というものが、どうしても現実味を帯びてきます。

自分の死だけでなく、大切な人を見送る機会も増えてくる。

そうすると、胸の奥に不安や恐怖がじわじわと広がっていくことがあります。

でも天風さんは、こう言うんです。

「恐れたって、避けられるもんじゃない。だったら、無駄に恐れるな」と。

これは“開き直り”ではありません。

むしろ、限りある命を本当に大切にするための、覚悟の持ち方なんです。

僕たちは、どうしても「まだ大丈夫」「死はもっと先のこと」と思って、

いろんなことを先送りにしてしまいます。

でも、天風さんのこの言葉に出会うと、「今をどう生きるか」が一気に鮮明になるんです。

「死ぬときは死ぬ」と受け入れたとき、逆に“生きている今”がどれほど貴重かに気づきます。

そしてその気づきは、今この瞬間を丁寧に、悔いなく生きようという力に変わる。

死を恐れて心を縮こまらせるよりも、

死を見つめたうえで、今を全力で生きる――

それが天風さんの教える「積極的な生き方」なのです。

第3章:「人生は心であり、観念であります」

そして最後にご紹介するのが、天風さんのこの言葉です。

「人生は心であり、観念であります。これこそが、人生を極楽にもし、また地獄にもすることができ得る、唯一のものなんです。」

ここでいう「観念」とは、自分がどう物事を捉え、どう感じ、どう意味づけるかという、内面的な世界のことです。

つまり、人生の善し悪しは、出来事そのものではなく、それに対する“心の姿勢”によって決まるということ。

同じ出来事でも、ある人は「最悪だ」と感じ、別の人は「これは学びだ」と前向きに受け止める。

それは、現実が違うのではなく、「心の受け止め方」が違うからです。

天風さんは、そうした心の力をとても大切にしました。

病や逆境、貧しさ、孤独… どれも人生に起こりうる現実だけど、それが人生を不幸にするわけじゃない。

それを「不幸だ」と感じてしまう自分の心が、人生を重く、苦しいものにしてしまうのだと。

逆に言えば、心の持ち方を変えることで、人生の質そのものを変えることができる。

どんなに環境が恵まれていても、心がネガティブなら、不安や不満に支配されてしまう。

でも、心が前向きで感謝に満ちていれば、たとえ困難な状況でも、幸福感を見出すことができる。

「極楽か、地獄かは、外にあるのではなく、自分の中にある。」

この天風さんの言葉は、まさに人生の核心を突いています。

年齢を重ねた今だからこそ、自分の“心の声”に丁寧に耳を傾け、

どう観念し、どう生きるかを見つめ直すことが、これからの人生を豊かにする鍵になるのではないでしょうか。

【まとめ】

ここまで、天風さんの名言を3つご紹介しました。

  1. 苦しみに対して、まず微笑みを選ぶ。
  2. 死を恐れず、今を丁寧に生きる。
  3. 人生の良し悪しは、心の観念によって決まる。

これらは決して、理想論ではありません。

むしろ、現実を生き抜くための、非常に実践的な“生き方の技術”です。

人生の後半にさしかかると、「どうにもならないこと」が増えてきます。

でも、天風さんの言葉は教えてくれます。

「どうにもならないこと」ではなく、「どう受け止めるか」が人生を変えるのだと。