当記事は、以下の動画を文字起こしした内容となっております。
こんにちは、TKです。
人生の折り返し地点を過ぎて、「これからの人生、何を大切に生きればいいのか?」
そんな問いを抱えている方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、中村天風さんの言葉。
数々の名言の中から、特に人生の後半に差し掛かった方にこそ響く、深い意味を持つ3つの言葉をピックアップしました。
どんなに年齢を重ねても、「心のあり方」次第で、人生はもっと軽やかに、もっと輝くものになる。
そんな希望を、今日の動画で感じていただけたら嬉しいです。
第1章:「まずは人間を創れ、魂を磨け」〜天風が伝えた人生の本質〜
中村天風さんはこう語っています。
「まずは人間を創れ、魂を磨け、さすれば幸福は向こうからやってくる」
この言葉に込められているのは、「人としての本質を磨くことが、すべての出発点である」というメッセージです。
私たちはつい、「もっとお金があれば」「地位があれば」「健康でさえあれば幸せになれる」と考えがちです。けれど天風は、それらは“結果”にすぎず、“原因”は常に自分の内側にあるのだと説いています。
「魂を磨く」とは、宗教的な意味ではなく、人としての在り方を整えるということ。自分の心に正直でいること、感謝や思いやりを忘れずに生きること、そして物事に対して積極的に向き合う姿勢を持つこと。こうした日々の積み重ねが、「人間を創る」ということにつながっていきます。
特に、人生の後半に差し掛かった今だからこそ、この言葉がより深く響いてきます。若いころは外の世界に向かって走ってきたかもしれません。でもこれからは、自分の内側としっかり向き合い、自分自身をつくり直していく時間です。
そうやって内面を磨いていくと、不思議なことに、無理に何かを手に入れようとしなくても、必要なものが自然とやってくるようになります。出会いも、チャンスも、心の豊かさも、こちらから追いかけなくても“向こうからやってくる”。
天風さんは人生を“積極的に生きる”ことの大切さを繰り返し説いていますが、その核心がまさにこの名言に表れています。
人生100年時代。まだまだ“これから”です。
まずは心を整え、自分という人間をじっくり創っていく。そこから、本当の幸福が始まるのだと、天風さんは教えてくれているのです。
第2章:「鏡に曇りがあれば、物は完全に映らない」〜心の曇りを取る〜
中村天風さんは、こんな言葉を私たちに残しています。
「鏡に曇りがあれば、物は完全に映らない」
これは、人生をどう受け止めるかは、心の状態に左右されるという深い真理を表しています。
つまり、どれだけ外の世界が変化しても、それをどう感じるかは、自分の心が決めているということです。
たとえば、同じ出来事に遭遇しても、それをチャンスと感じる人もいれば、災難と感じる人もいる。
その違いを生んでいるのは、環境でも年齢でもなく、“心の鏡”の曇り具合なのです。
では、心が曇るとはどういう状態でしょうか。
それは、不安や怒り、妬みや執着といった、ネガティブな感情に心が覆われている状態です。
人生の後半になると、これまでの後悔、過去のしがらみ、将来への不安が重なり、心の中が静かに、しかし確実に曇っていくことがあります。
そのままでは、本来見えるはずの喜びや可能性も、くすんで見えてしまいます。
まるで、窓ガラスが汚れていて、外の景色がぼやけて見えるように。
では、この心の曇りをどうやって取り除けばいいのでしょうか?
天風さんは、まず「自分の心の状態に気づくこと」が重要だと説いています。
たとえば、ふとしたときに「今、自分は焦っていないか?」「何かに囚われていないか?」と内省してみる。
それだけでも、心の曇りは少しずつ晴れていきます。
まるで、曇った鏡をひと拭きするように、視界がクリアになっていくのです。
さらに、呼吸を整え、静かに心を落ち着ける習慣を持つことも大切です。
深く息を吸い、ゆっくり吐く。その繰り返しだけでも、心は澄んできます。
人生の後半は、外の世界を変えるよりも、自分の内側を整えることに価値があります。
心の曇りが取れてくると、不思議と人間関係も変わり、日常の風景が少しずつ違って見えてくる。
中村天風さんのこの名言は、まさに「見え方が変われば、人生が変わる」ことを教えてくれているのです。
第3章:「筆を洗ったまっ黒なコップの水も」〜小さな習慣が心を浄化する〜
天風さんは、こんな印象的なたとえ話を残しています。
「筆を洗ったまっ黒なコップの水も、水道の蛇口のところに置いて、ポタリポタリと水を落とせば、一晩のうちにきれいになってしまう」
これは、たとえ心が汚れたように感じても、あきらめる必要はない。
ほんの小さな努力の積み重ねが、やがて心を清らかにしていく――そんなメッセージが込められています。
私たちは生きていく中で、知らず知らずのうちに心を濁らせてしまいます。
失敗や後悔、人間関係でのすれ違い、抱えてきた劣等感や怒り。
そうしたものが心に積もっていくと、自分自身に対してさえも「もう無理かもしれない」と思ってしまうことがあります。
しかし、天風さんは言います。
大切なのは、一度にすべてを変えようとしないこと。
たった一滴でもいい。今日という日に、ほんの少しだけでも“よい思い”を自分の中に落とし続けていくことが、やがて大きな変化になるのです。
たとえば、朝起きて「今日も生きていることに感謝しよう」と思ってみる。
誰かに笑顔で挨拶する。
鏡を見て、自分を責めるのではなく「今日もよくやってる」と声をかける。
そんな小さな積極的な行為こそが、一滴一滴の水なのです。
心の変化というのは、急には現れません。
けれど、毎日続けることで、まるで黒く濁ったコップの水が、いつの間にか透き通っていくように、心も少しずつ整っていきます。
そして、人生の後半だからこそ、この“一滴”の重みは深まります。
長く生きてきた分、心にたまったものも多いかもしれません。
でも、それはあなただけではありません。誰しも同じように濁りを抱えながら、それでも前を向こうとしています。
天風さんの教えは、「今さら変われるだろうか…」と感じる私たちに、やさしく背中を押してくれます。
心を変えるのに、遅すぎることはない。
今日、今この瞬間からでも、小さな“浄化”は始められる。
それこそが、天風さんが伝えた「積極的精神」の生き方なのです。
【まとめ】
いかがだったでしょうか。
今日は中村天風さんの名言から、
人生の後半をどう生きるかというヒントをお届けしました。
- 「まずは人間を創れ、魂を磨け」
- 「鏡に曇りがあれば、物は完全に映らない」
- 「黒い水も、一滴ずつの水で澄んでいく」
どれも、派手な言葉ではないかもしれません。
でも、心の深い部分にじんわりと染み渡る、
力強いメッセージだと僕は感じています。
人生の後半は、ただの“下り坂”じゃない。
心の鏡を磨きながら、一滴ずつ魂を整えていくことで、
これまで以上に豊かで、意味のある時間にできるはずです。