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書籍レビュー

【穏やかで繊細】「ランチ酒」を読んだ感想

先日、「ランチ酒」を読みました。

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著者は「原田ひ香」さんという方で、有名な作品に「三千円の使い方」があります。僕はまだランチ酒しか読んだことがないのですが、おそらくどの作品も穏やかな雰囲気を放ってるんだろうなと思います。

ランチ酒の主人公「犬森祥子」は、バツイチのアラサーです。娘が一人いるのですが、元夫が引き取ったので月に1回ほどしか会えません。そんな祥子の仕事は、「見守り屋」です。何をするかと言うと、本当にただ見守るだけの仕事です。例えば、「小さい子供がいるけど外に連れていけない事情があるから、家に来て子どもを見守っていてほしい」という感じの仕事を祥子はこなします。

仕事柄祥子はいろんな土地に訪れるので、仕事前や仕事終わりに、その土地の食事を楽しむことを生きがいにしています。その食事の描写がとても鮮明で、読んでいるとリアルにお腹が空いてきてしまいます(笑)。

本書の見どころは、祥子の苦悩を描いているシーンですね。元夫と娘に対する複雑な感情を上手く処理できなかったり、仕事上で上手く立ち回れずに悩んだりと、祥子は多様な苦悩を抱えています。その苦悩がいずれも鮮明に描かれていまして、なぜかその描写を見ていると落ち着くんですよね。誰しもが人知れず苦悩を抱えているという事実を知れて、なんとなく安心できるのかもしれません。

決して本書は、大きな展開がある作品ではありません。ただ、穏やかで繊細な雰囲気がとても心地よいので、刺さる人はたくさんいるだろうと思います。

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