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書籍レビュー

【悩みの本質は停滞】「言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える」の好きな部分をお伝えします【解説】

こんにちは、TKです。

今回ご紹介するのは、樺沢紫苑先生が書いた「言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える」です。

これはですね、ズバリ悩みを抱えている人に向けて書かれた本となっております。

樺沢先生はこういった精神的な面に焦点を当てた本をいくつか出版されているのですが、本書は今までの本とは違うある特徴があります。

それは、「エビデンス(科学的根拠)が意図的に少なくなっていること」です。

科学的根拠ももちろん大事ですが、それよりも、精神科医として培ってきた30年の経験をダイレクトに伝えたいという想いがあったようですね。

僕は、こういう経験を軸にした本、好きです。なぜなら、唯一無二の内容に仕上がるからです。科学的根拠は検索できますから、科学的根拠を元にするとどうしても似通った内容になります。

ただ、本書は樺沢先生の経験が軸となっており、唯一無二の内容になっていることからも、読む価値は高いと思います。

今回は、実際に読んで「ここの話好きだな」と思った箇所を抜粋してご紹介しますので、ぜひご覧ください。

【悩みの本質は停滞】「言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える」の好きな部分をお伝えします

では、今回は以下3つの内容に焦点を当てて解説していきます。

  1. 悩みの本質は停滞
  2. 書くだけで楽になる
  3. 他者貢献が悩みを解消する

では、①から見ていきましょう!

①悩みの本質は停滞

そもそも、なぜ人は「悩み」に苦しみ続けてしまうのでしょうか?

一言でいうと、「停滞しているから」です。

本書には、以下のような言葉が記載されています。

そもそも、「悩み」とは何でしょうか?

辞書には「思いわずらうこと、心の苦しみ」などと書かれていますが、もう少し私の解釈を加えると、「困難で苦しい問題に直面し、『どうしよう?』『どうしたらいいんだ?』と前に進めず停滞し、足踏みしている状態」のことです。

私は、この「前に進めない」「停滞」「足踏み」こそが、「悩みの本質」と考えます。「症状が改善しません」「病気がよくなりません」という患者さんをたくさん診察するなかで、そう思うようになりました。

出典:言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える

はい、このお言葉はですね、物凄く共感できました。

悩みを解消するためには、絶対に何かしらの行動を起こすことが必要なんですよ。頭の中でいろいろと考える時間も必要ですが、それだけじゃ現実は何も変わらないですよね。だからこそ、まずは「停滞しない」という意識を強く持ってほしいなと僕も思います。

まあ、とはいえ、悩んでいる時に行動するのって結構しんどいですよね・・・。「行動できたら苦労しないんだが!」という声が聞こえてきそうです。

ただ、ここで強調しておきたいのは、「完璧を目指す必要などない」ということですね。樺沢先生は意図的に「解決」という言葉ではなく、「解消」という言葉を使用しています。解決というと、問題を根本的に無くしているイメージを持ちますが、基本的にはそんなことできませんよね。

だから、問題を完璧に解決する想いは持たなくて大丈夫です。「少しずつ解消する」という無理のない想いをもつこと、これが悩みに立ち向かうためのスタートだと思ってください。

②書くだけで楽になる

では、悩みに立ち向かう意識を持てたところで、実践的な内容も見ていきましょう。

本書のテーマはタイトルにもあるとおり、「言語化」です。なぜ言語化をオススメしているかと言うと、言語化するだけで悩みは解消に向かうからです。

以上を踏まえて、本書からある文章を抜粋してご紹介します。

私のYouTubeで、質問の文字数を120文字に限定しているのは、視聴者の皆さんが、自分の悩みを「言語化する」ことを促すためです。120文字にまとめるためには、自分と向き合い、頭の中を整理整頓しないとできません。

「悩みを書き出しているうちに、悩みが軽くなりました」という感謝のメールがよく届きます。それこそが私の狙いです。

出典:言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える

本書に書かれているように、実際に樺沢さんはたくさんの質問を文字で受け付けていますので、言語化の効果を身に沁みて理解していると思われます。

また、この主張はですね、僕自信も強く納得できました。僕は悩みではないんですけど、長文を書く時に、まずある程度の構成を書くんですよ。すると、頭の中が整理されて、長文を書く心構えができます。悩みも、本質的には同じだと思っています。

悩みに立ち向かう方法っていろいろありますけど、頭の中で考えていてもまとまらなくて、ずっとモヤモヤしちゃいますよね。ただ、言語化されることで状況が整理できて、少しずつ解消に向かっていけるのです。

また、悩みの書き出し方に凝り固まったルールはありません。紙を用意して、そこに悩みを書きます。次に、悩みの原因を思いつく限り書き出します。次に、原因に対して思いつく限りの対策を書きます。こうすることで情報を整理できますし、何より大切なのが、自分の力では変えられない事柄も炙り出せることです。

例えば、地震が怖くて日々不安を抱えている方がいるようなのですが、地震そのものを止めるのは不可能ですよね。この場合、地震が起きても被害が少ない地域を探すとか、耐震性の強い家を探すとか、自分にできる事柄にフォーカスすることが重要です。

情報を整理して自分に出来ることを明確にするためにも、まずは悩んでいる事を言語化してみましょう。

③他者貢献が悩みを解消する

最後に、僕が最も美しいと思ったお話しを紹介して終わりにします。

それは、「他者貢献が悩みを解消する」というお話です。

有名な心理学者アドラーは、以下のような言葉を残しています。

苦しみから抜け出す方法はたった一つ。他の人を喜ばせることだ。

「自分に何ができるか」を考え、それを実行すればよい。

●アルフレッド・アドラー

これは、おっしゃる通りだと僕は思っています。なぜなら、経験上他者貢献の想いが強い人は、明るい性格であることが多いからです。

逆に、悩みや不満を抱えているような人は、他者貢献を意識しているようにはあまり見えませんでした。実はこれ、科学的な根拠があるお話なんですよ。

他人に親切にするとオキシトシンというホルモンが分泌されて、ストレスが和らいだり幸せな気分になったりします。また、親切にされた方にもオキシトシンは分泌されて、あなたへの好感度もアップします。つまり、その人があなたの仲間になってくれるということです。

「他者貢献が悩みを解消する」なんて言うと、なんかもっともらしい事を言っているだけに聞こえますが、かなり理屈の通った話なんですね。

それに、わざわざ説明しなくても、あなたは既に他者貢献の素晴らしさは理解していると思います。なんの見返りも求めずに誰かのために行動した時って、なんだか強い達成感に包まれますよね。

自分が悩んでいる時に、他者のために行動するのは難しいかもしれません。ただ、自分が思い悩んでいるからこそ、他者貢献が必要だとも言えます。できる範囲で構いません。他者貢献、ぜひ始めてみてください。僕も意識していこうと思います。

さいごに

今回は、「ここの話好きだな」と思った箇所を抜粋してご紹介したにすきず、ほとんどの部分は紹介できていません。

まだまだたくさんのお話が掲載されていますので、ご興味を持った方はぜひ手に取って読んでみてください。

精神科医30年の集大成、ぜひご堪能ください。

ありがとうございました。またお会いしましょう。