この記事は、下記の動画を文字起こしした内容となっております。
こんばんは、TKです。
今回ご紹介する本は、「論語」という本です。
「論語」は、紀元前551年または552年に生まれた中国の思想家「孔子」の教えを、弟子たちがまとめた本となっております。
「論語」は古典中の古典でして、中には「THE道徳」と言える、一生使える教えが散りばめられています。
2024年に新1万円札の顔となる「渋沢栄一」の愛読書としても有名ですね。
「論語」はめちゃくちゃ為になる教えが散りばめられているのですが、古い言い回しも多く、とっつきにくいというのが正直なところです。
なので今回は、「論語」の中から今すぐにでも役立つ教えを10個に厳選して、わかりやすく解説します。
この動画を最後まで見ていただければ、人生を美しく生き、世のため人のために振る舞える人間の本質がつかめるかなと思います。
難しい表現はなるべく避けていますので、ぜひお気軽にお楽しみください。
自分の意思を持たないと、誰とも仲良くできないよ
はい、最初の教えが「君子(くんし)は和(わ)して同(どう)ぜず、小人(しょうじん)は同(どう)じて和(わ)せず」です。
要するに、「人格者は誰とでも上手く過ごせるが、むやみに周りと意見を合わせたりはしない。逆に小者は、やたらに周りと意見を合わせるが、誰とも上手く過ごすことができない」
という教えになります。
この教え、心にグサッと来た人も多いかと思います。
「本当は自分は飲み会に行きたくないのに、周りに意見に合わせて嫌々参加したけど、結局自分を出せないから、周りと壁ができたまま終わった」みたいなイメージです。
日本人は特に空気を読む傾向が強いので、ついつい周りの人に意見を合わせちゃいますが、そういう人って、ちょっと頼りなくも見えますよね。
そして最終的には、「誰からも好かれない」という悲惨な結果が待っています。
逆に回りの目を気にせず自分の意志を示せる人は、すごくカッコよく見えますよね。
そういう人は一定数の敵を生むかもしれませんが、結局は周りから好かれるものです。
ダサい人に成り下がらないためにも、ぜひ「自分の意見」を大事にして行動してほしいなと思います。
物事の結果は自己責任だと思いなさい
はい、次の教えは「君子(くんし)は諸(こ)れを己(おのれ)に求(もと)め、小人(しょうじん)は諸(こ)れを人(人)に求(もと)む」です。
要するに、「人格者は責任が自分にあると考えるが、小者は責任が他人にあると考える」
という教えになります。
正直、この教えには賛否両論あると思います。
「どう考えても運が悪かったり、他人が悪かったりすることもあるでしょ!」という意見もありますからね。
ただ、僕はそれでも自責思考で生きるほうが懸命だと思います。
なぜなら、自責思考で生きる人はカッコいいし、問題も解決しやすいからです。
まず単純に、責任を他人のせいにしない人って、カッコいいですよね。
そういうカッコよさは、他人から慕われる大きな要因になります。
また、自責思考は自分に降りかかる問題を解決することにもつながります。
例えば「パワハラ系の上司がいて会社に行きたくない」という問題を抱えていたとします。
ただ、この問題の責任を「上司にある」としていては、問題は解決しませんよね。
もし僕だったら、「こんな上司の言うことを気にする自分が悪いorこんな上司のいる職場で働く自分が悪い」と考えます。
このように考えれば、上司への対応を変えるか、転職することで問題を解決できます。
自責思考で生きると、思った以上に人生が上手くいくし、ストレスも減りますので、ぜひ覚えておいてください。
甘い言葉に騙されるな
はい、次の教えは「巧言令色(こうげんれいしょく)、鮮(すく)なし仁(じん)」です。
要するに、饒舌な話しぶりで甘い話をしてくる人は、思いやりなんか無いから関わるな。
という教えになります。
現代で言えば、投資案件の話をしてくる人をイメージしてもらえればOKです。
「この仮想通貨を買えば必ず儲かるので入金してください!」みたいな話は、ほとんどの場合、聞き手にメリットなんかありません。
だって本当に儲かるなら、自分でやればいいだけですからね。
もっと話を掘り下げるのならば、「これを飲めば痩せますよ!」みたいな商品も、ほとんどが不要な商品だと僕は思っています。
ただ、世の中には「痩せたい!」と強く思う人が多いので、甘い話に引っかかる人も必然的に多くなっちゃうんですよね。
甘い話というのは、基本的に「話し手」にメリットがあるだけですので、ご注意ください。
ちなみにこれは補足なのですが、この教えはなぜか「論語」の中に、全く同じ文書で2回出てくるんですよ。
おそらく複数人の弟子で作ったから起きたミスだと思うのですが、こういう人間味を感じられるのも、「論語」の1つの魅力かなと思います。
まずは人を心配しよう
はい、次の教えは「廐(うまや)焚(や)けたり。子(し)、朝(ちょう)より退(しりぞ)きて曰(いわ)く、人(ひと)を傷(そこ)ないたりや。馬(うま)を問(と)わず」です。
要するに、馬小屋が焼けてしまったのだけど、孔子は馬のことより怪我人のことを心配した。
という教えになります。
当然ですが、馬はめちゃくちゃ高価な資産であるため、「馬は無事なのか!?」となるのが普通です。
しかし孔子は、まず怪我人がいないかどうかを心配したそうです。
めちゃくちゃカッコいいですよね。
もし孔子が上司だったら、「この人に一生ついて行こう!」という気持ちになると思います。
もしあなたにお子さんがいれば、お子さんが何か物を壊してしまったときに、ぜひ怪我の方から心配してあげてください。
物を壊したことを怒るようなことをすれば、お子さんから愛想を尽かされるのは確実ですので、注意してほしいと思います。
行動で指し示そう
はい、次の教えは「先(ま)ず其(そ)の言(げん)を行(おこの)うて、面(しこ)うして後(のち)に之(こ)れに従(したご)う」です。
要するに、まず行動で指し示してから、自分の主張を言葉にしなさい。
という教えになります。
あなたの周りにも、口だけ達者な人いますよね。
そんな人に対してどんな感情を抱きますか?
「結局口だけで、なんにも行動に移してないじゃん。ダサっ!」って思いますよね。
そんな人は、当然ですが周りから信頼されるわけなどありません。
毎日不健康な生活を送り、デスクの上が汚い人に、「問題を放置するな」と言われても、「あなたが言える立場ですか?」としか思えませんよね。
具体的な行動としては、「正論を言うのをやめる」という意識を持ったほうがいいと思います。
正論は聞こえはいいですけど、やれるかどうかは別ですからね。
ぜひ、口だけの人間だけでなく、行動が伴う人間になれるよう、意識してほしいと思います。
バランスの良さが大事だよ
はい、次の教えは「学(まな)んで思(おも)わざれば即(すなわ)ちくらし、思(おも)うて学(まな)ばざれば即(すなわ)ち殆(あやう)し」です。
要するに、「学ぶだけ・考えるだけ」ではダメで、学んでかつ自分の頭で考えることが大事なんだよ。
という教えになります。
なぜ偏ってはいけないかと言うと、適切な判断が下せない人間になってしまうからです。
例えば人から言われたことを鵜呑みにしていれば、しょうもない金融商品を買わされるハメになります。
また、外から学ぼうとしなければ、それもまたしょうもない金融商品を勝ってしまうハメになるかもしれません。
ここで大事なのは、バランスです。
外から学んだ上で、さらに自分で考えることによって、適切な金融商品を買うことができます。
この「バランス」という発想は、孔子の教えの核と言っていいほど大事な発想になります。
何事も偏りすぎることなく、バランス良く取り入れる意識を持って、日々を過ごしてください。
安易な幸せを目指さないように
はい、次の教えは「君子(くんし)は徳(とく)を懐(おも)う、小人(しょうじん)は土(ど)を懐(おも)う。君子(くんし)は刑(けい)を懐(おも)う、小人(しょうじん)は恵(けい)を懐(おも)う。」です。
要するに、「人格者はより善く生きるための方法を考えるが、小者は楽な生活をすることを考える。人格者は過ちを犯せば罰があることを意識し、身を正す。小者は物質的な豊かさを望む」
という教えになります。
もっと簡単に言うと、人格者は正しく生きようとしますが、小者は楽な方に流れるということですね。
個人的には、この教えをぜひ皆さんに知ってほしいと思っています。
なぜなら、ここで言う小者のような生き方をすれば、全く満たされない人生を全うすることになるからです。
できるだけ楽な仕事をし、稼いだお金で物を買い、身の回りを飾る。
このような生活では、「自分はなんのために生きているんだろう…」という哲学的な悩みにハマってしまうのは明白です。
具体的な意識としては、「損得感情を無視した取り組み」を持つことがいいのかなと思います。
「好きだから」とか「人のためになるから」という素直な感情にしたがって行動していると、それが充実した時間になることもあります。
なんでもかんでも「コスパ良く」という発想は捨てて、「どうしたら充実した人生を送れるか?」というお硬い発想をぜひ持ってほしいと思います。
あなたの行動は見られている
はい、次の教えは「其(そ)の身(み)正(ただ)しければ、令(れい)せずして行(おこな)わる。其(そ)の身(み)正(ただ)しからざれば、令(れい)すと雖(いえど)も従(したが)わず」です。
要するに、「正しい行いをすれば、人は命令しなくても従います。逆に正しくない行いをすれば、命令しても人は従いません」
という教えになります。
これは、だらしない管理職の方に言って聞かせたい教えです。
よく部下の悪口を言う人がいますが、それは悪口を言う方に問題があるケースも多いと思うんですよね。
「あいつら言ってもやらねんだよな」とか言っているのを見ると、「それはあんたの振る舞いが悪いからだろ」と思ってしまいます。
周りの人は、あなたの行動を確実に見ているものです。
周りの協力を得たいのなら、まずはあなたが人として正しく行動することが先決だと断言しておきます。
孔子だって人間です
はい、次の教えは「噫(ああ)、天(てん)、予(わ)れを喪(ほろぼ)せり。天(てん)、予(わ)れを喪(ほろぼ)せり」です。
これはが顔回という愛弟子が亡くなったときの、孔子の言葉になります。
訳すと、「天は私を滅ぼした!天は私を滅ぼした!」となります。
英訳するなら、「Oh my God!」となるでしょう。
実は孔子は71歳まで生きたのですが、当時ではかなりの長寿でした。
愛弟子に先立たれることも多く、なんと実の子供も先に亡くなっています。
そんなときはさすがの孔子も、ひどく悲しんでいたようです。
論語を読んでいると、「孔子は神のような存在」と思い込んでしまうこともありますが、そんなことはありません。
真っ当な人生を歩もうとしただけの、ただの男です。
孔子を決して雲の上の存在と思わず、身近な存在と思ってもらえれば、論語の教えも素直に吸収できるのかなと思います。
「生き方」で人は幸せになれる
はい、最後の教えは、「学(まな)びて時(とき)にこれを習(なら)う、説(よろこ)ばしがらずや。朋(とも)あり、遠方(えんぽう)より来(き)たる、亦(ま)た楽(たの)しからずや。人(ひと)知(し)らずしてうらみず、亦(ま)た君子(くんし)ならずや」です。
要するに、「学び続けときに復習する。そうすれば知識が身につきいつでも活用できる。素晴らしいことだ。友人が遠くから自分を思い出して訪ねてきてくれる。素晴らしいことだ。世の中の人が自分のことを評価してくれなくても、恨んだりしないように。それが人格者というものだ」
という教えになります。
実はこの教えが、「論語」の中で1番に語られる教えなんですよ。
ということは、この教えが「孔子の弟子たちが1番後世に残したかった教え」なんじゃないかと僕は思います。
目標に向かって努力をし、ときに友人と語らう。
そんな人生が送れれば、世間がどう思おうが、その人は幸せだと思います。
最終的に成功できるかどうかなんてのは、大きな問題じゃないんですよ。
大事なのは、「生き方」です。
幸せな人生を送るためにも、日々学び、友と語らい、世間の評価に溺れない意識を持ってほしいと思います。
「論語読みの論語知らず」になるな
はい、これで今回の解説は以上になります。
僕はこの「論語」から、「カッコよく生きろよ!」という孔子のメッセージを感じました。
「論語」の教えが決して古臭いものでなく、現代でも大いに活用できることがご理解いただければ幸いです。
なお、もし「論語」を読んでみようと思った場合は、漫画や図解で読むことをおすすめします。
漫画なら、「マンガ 論語と孔子」
図解なら、「眠れなくなるほど面白い 図解 論語」がおすすめですね。
どちらも実際に読みましたが、めちゃくちゃわかりやすかったです。
では最後に、「論語読みの論語知らず」という言葉を解説して終わりにします。
「論語読みの論語知らず」とは、言葉は理解できても、それを実行しないことを意味した言葉です。
今回の教えをただ覚えるだけでなく、ぜひ一つでも実行してもらえれば幸いです。
では、以上になります。
最後までご清聴、ありがとうございました!