会計

利益率とは?「意味・種類・目安・計算方法」をまとめて解説!【具体例付き】

こんにちはTKです。(@lasdream03

私は大学生の頃から簿記の勉強を始め、簿記2級を取得しました。現在は、製造業の経理として働いています。

ユキちゃん
ユキちゃん
利益率ってなんだろう?意味、種類、目安、計算方法を知って、会社分析ができるようになりたいなぁ

ユキちゃんのような気持ちを持っている人に向けて、この記事は書かれています。

 

会社分析の指標によく用いられる「利益率」ですが、イマイチ使い方がわからない人もいると思います。

ですがご安心を。

利益率は決して難しいものではなく、誰でも簡単に理解できる指標です。複雑な数学の知識などはいりません。

この記事では、利益率の「意味、種類、目安、計算方法」が徹底解説されていますので、より深い知識が身につく構成になっております。

では、1つずつ確認していきましょう!

もくじ

利益率とは何か?→どれだけ「効率良く」稼いだかを表す指標

まずは利益率を定義します。

利益率とは、どれだけ「効率良く」稼いだかを表す指標です。一言でいうと、「収益性」を測る指標と表現できます。

「効率良く」っていう言葉が注目ポイントですね。単純な金額の大小ではなく、「率」で見ているところが特徴ですので、覚えておいてください。

これで利益率の意味の説明は終わりなのですが、少し言葉足らずな気もします。そこで、具体的な数字を交えて見ていきましょう。

どっちのほうが優れているか?【A社とB社】

まずは下の表をごらんください。

会社名 A社 B社
売上高 1000万円 300万円
※利益 50万円 30万円

※利益とは、売上高から様々な費用を差し引いた手残りのことです。

売上高も利益もA社のほうが上なので、単純に考えればA社のほうが優れた会社に見えますよね?

しかし、利益率で考えるとB社のほうが上なので、B社のほうが優れていると見なすこともできるのです。

 

「一体どういうこと?」と思った方は、実際に計算してみましょう。

利益率の計算方法は以下のとおりです。

利益率=利益÷売上高×100(%)

この計算式を当てはめると、利益率はそれぞれ以下のようになります。

会社名 A社 B社
売上高 1000万円 300万円
利益 50万円 30万円
利益率 5% 10%

A社は売上高の5%しか利益になっていませんが、B者は売上高の10%が利益になっていますね。

つまり、B社はA社よりも、「2倍効率良く」お金を稼げていると言えるのです。

効率の良さはなぜ大事なのか?

「いや、でもA社のほうが単純な利益は上なんだから、A社のほうが優れているでしょ」と思う方もいるかもしれません。

確かにその考えも一理あります。A社のほうが優れているという判断を、否定するつもりはありません。

しかし、「安定して長期的に稼ぎ続けられる会社はどっちか?」という視点で見た場合どうでしょうか?そうなるとB社のほうが優れていると見なすこともできます。

理由は以下のとおり。

  • 利益率が高いと、優位性を持っていると判断できる
  • 利益率が高いと、景気に振り回されにくくなる

それぞれ深堀りしますね。

 

利益率が高い=優位性を持っている

そもそも利益率がなぜ高いのかを考えてみましょう。

大きな理由としては、強気な価格設定ができているからだと考えられます。単純に売っている価格が高いと、利益率も高くなります。

ではなぜ強気な値段設定ができるか?それは、そのジャンルで優位性を持っているからです。ここで言う優位性とは、以下のような意味を含んでいます。

  • 圧倒的なブランドを持っている
  • 競合他社が弱い、あるいは存在しない

このような特徴を持つ企業は、競争によって疲弊しないので、「永きに渡って繁栄できるポテンシャルを秘めている」と判断できますよね。

 

利益率が高い=景気に振り回されにくい

利益率が高いと、景気に振り回されにくくなります。

なぜなら、不景気によって利益が下がっても元々の利益率が高いので、赤字になりにくいからです。

逆にギリギリの利益率で運営されている会社は、ちょっとした不景気ですぐに赤字になることもあります。

 

利益率には種類がある?【代表的な5種類を解説】

ここまでは、単に「利益率」という一つの単語を用いて解説を行ってきました。しかし、利益率には種類があります。

用途によって複数の利益率を使いこなせるようになると、より深い企業分析を行うことができるでしょう。

代表的な利益率の種類は以下のとおりです。

利益率の種類 用途
売上高総利益率 「優位性」を確めたい時に使います
売上高営業利益率 「本業」の収益性がわかります
売上高経常利益率 「本業+本業以外」の収益性がわかります
売上高純利益率 「本業+本業以外+特別損益+税金」の収益性がわかります
自己資本利益率(ROE) 「自己資本をどれだけ効率よく使ったか」を判断するのに使用します

それぞれの指標を深堀りしますね。

売上高総利益率→「優位性」を確めたい時に使います

売上高総利益率は、優位性を確かめるのにピッタリの指標です。

計算方法は以下のとおり。

売上高総利益率(粗利益率)=売上総利益(売上高ー売上原価)÷売上高×100(%)

やや専門用語が多くなっているので、読むのが辛くなっているかもしれません。もう少し感覚的に、売上高総利益率の意味を説明しますね。

 

売上高総利益率は、なぜ優位性を見るのにピッタリなのか?

まず結論から言うと、売上高総利益が高ければ高いほど、優位性が高いと判断できます。

理由は、優位性のおかげで、売上原価をはるかに上回る価格を設定できているからです。

企業が高い粗利益率を稼ぎ出せるのは、永続的競争優位によって、売上原価をはるかに上まわる価格設定の自由が与えられるからだ。対象的に、永続的競争優位性を持たない企業は、自社の製品もしくはサービスを値下げすることで競争するしかない。当然、この値下げは利ざやの低下につながり、最終的には収益性に悪影響を及ぼす。

引用:史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール(51~52P)

最も成功した投資家ウォーレン・バフェットも、この売上高総利益率の高さを重視して株価を選択しています。

 

同じコーラでも、値段がぜんぜん違う【コカ・コーラの優位性は高い】

コーラを売っている会社は世の中にたくさんありますよね?普通に考えたら、価格競争によって、コーラの値段は似たりよったりになるでしょう。

そんな中、コカ・コーラは他社よりも高い値段でコーラを売っています。

 

実際に他会社と比較してみましょう。

まずはトップバリュで売っている缶コーラ350mlの画像をごらんください。

一缶あたりの値段は28円となっていますね。

一方でコカ・コーラの缶コーラ350mlの値段はどうなっているでしょうか?

引用:Amazon

一缶あたりの値段は88円となっていますね。つまり3.14倍もの値段で同じような商品を販売しているのです。

もちろん、2社のコーラには味の違いはあるでしょう。しかし、誰にでもわかるような明確な違いは無いはずです。

 

なぜ3.14倍の値段で売れるのか?

ではなぜコカ・コーラはこんな強気な値段設定が出来るのでしょうか?

それは、圧倒的なブランドを持っているからです。

このような企業は、「合理的な価格よりも高く販売しても商品が売れてしまう」ので、非常に有利に経営を進めることができると考えられます。

その優位性は「売上高総利益」の高さに表れますので、ぜひ確認してみて下さい。

 

売上高営業利益率とは?→「本業」の収益性がわかります

売上高営業利益率は「本業」の収益性を判断するのに使います。

計算方法は以下のとおり。

売上高営業利益率=営業利益(売上高総利益ー販管費)÷売上高×100(%)

「販管費」という専門用語がでてきちゃいましたね。これは商品の販売や管理をするのに発生したコストのことです。営業や経理の人件費などが該当します。

 

つまり営業利益には、「本業で発生した利益と費用」が全て含まれています。

したがって、売上高営業利益率を見ると、本業の収益性がわかるのですね。

売上高経常利益率→「本業+本業以外」の収益性がわかります

売上高経常利益率は「本業+本業以外」の収益性を判断するのに使います。

計算方法は以下のとおり。

売上高経常利益率=経常利益(営業利益+営業外収益ー営業外費用)÷売上高×100(%)

営業利益に「本業以外で発生した損益」を加えたものが経常利益なんですね。例えば、利息の支払いなどが該当します。

 

つまり経常利益率を見ると、その会社の「真の収益性」がわかります。

本業以外の部分でも、お金を稼いでいたり支払っていたりするので、本当の力を見極めるためには、経常利益率を見ることが推奨されています。

売上高純利益率→「本業+本業以外+特別損益+税金」の収益性がわかります

売上高純利益率は「本業+本業以外+特別損益+税金」の収益性を判断するのに使います。

計算方法は以下のとおり。

売上高純利益率=純利益(経常利益+特別利益ー特別損失ー税金)÷売上高×100(%)

「特別利益」と「特別損失」という専門用語がでてきましたね。

ここでいう特別とは、「たまたま発生した」という意味を含んでいます。

例えば、災害による損害は「たまたま発生した」ものですよね?そういった損害は、特別損失として計上されます。

そして最後に法人税等の税金を引いた額が、会社に残る純利益です。

 

つまり売上高純利益率は、「全ての損益を含めて、どれだけ効率よくお金を稼いだか」がわかる指標なのです。

「最終結果の収益性」を知りたい時に活用されます。

自己資本利益率(ROE)とは?→「自己資本をどれだけ効率よく使ったか」を判断するのに使用します

自己資本利益率は上で紹介した4つの指標とは、毛色が異なります。今までは売上高を基準に収益性を計算してきましたが、ここでは「自己資本」を基準にします。

計算方法は以下のとおり。

自己資本利益率=当期純利益÷自己資本×100(%)

これだけだとちょっとわかりにくいですね。具体的な数字を用いて確認していきましょう。

 

「小さい資本」で「大きく稼ぐ会社」がわかる

まずは以下の表をごらんください。

会社名 E社 F社
売上高 100万円 100万円
自己資本 1000万円 2000万円

それぞれ同じ売上高を計上していますね。しかし、自己資本に倍のひらきがあります。

 

この時の自己資本利益率は何%になるでしょうか?結果は以下のとおりです。

会社名 E社 F社
売上高 100万円 100万円
自己資本 1000万円 2000万円
自己資本利益率 10% 5%

つまりE社は、「F社よりも2倍効率よく売上高を計上できた」と見なせるわけですね。

なぜなら、半分の資本で同じ売上高を計上しているからです。

このように、自己資本を軸にして収益性を判断する方法もあります。

結局どの指標を使えばいいのか?

ここまで、以下5種類の利益率について解説しました。

利益率の種類 用途
売上高総利益率 「優位性」を確めたい時に使います
売上高営業利益率 「本業」の収益性がわかります
売上高経常利益率 「本業+本業以外」の収益性がわかります
売上高純利益率 「本業+本業以外+特別損益+税金」の収益性がわかります
自己資本利益率(ROE) 「自己資本をどれだけ効率よく使ったか」を判断するのに使用します

「で、結局どの指標をみればいいの?」という疑問があるかもしれません。

結論を言うと、あなたが確かめたい事によって変わります。

例えば「優位性」を確認したければ、売上高総利益率を見ることをおすすめします。最終結果の収益性を見たければ、売上高純利益率を見ればOKです。

 

個人的には、売上高総利益率は見たほうがいいと思っている。

参考までにお伝えしておきますが、私の重視している指標は「売上高総利益率」になります。

理由は、優位性を持っている企業は、「長期的な利益をもたらしてくれる」と考えているからです。

長期保有を前提に株を買う人は、ぜひチェックしてください。

 

利益率の目安とは?【5つの指標を業種別に調べました】

下記5つの利益率の意味は、ざっくり理解していただけたかと思います。

利益率の種類 用途
売上高総利益率 「優位性」を確めたい時に使います
売上高営業利益率 「本業」の収益性がわかります
売上高経常利益率 「本業+本業以外」の収益性がわかります
売上高純利益率 「本業+本業以外+特別損益+税金」の収益性がわかります
自己資本利益率(ROE) 「自己資本をどれだけ効率よく使ったか」を判断するのに使用します

 

では次に、それぞれの目安を確認していきましょう。

目安がわかれば、その会社の「収益性の高低」が大まかにつかめるようになります。

 

※やや古いデータを採用していますが、現時点で一番新しい資料になります。

売上高総利益率の目安

売上高総利益率の平均値は、平成28年度の数字で「25.58%」となっております。(参考:中小企業庁

業種別の数値は以下のとおり。

製造業 22.3%
卸売業 11.8%
小売業 27.6%
飲食サービス業 55.9%

(参考:経済産業省 時期:平成10年度)

実はこの数字、平成10年度の資料になります。(10年度以降、調査はしていないとのこと。)

かなり古いデータなので、ざっくり把握する程度に留めておいてください。

平均は約25%で、飲食業界に限ると約50%の数字になることだけ押さえておけばOKでしょう。

売上高営業益率の目安

売上高営業利益率の平均値は、平成29年度の数字で「4.1%」となっております。(参考:経済産業省

業種別の数値は以下のとおり。

製造業 5.5%
電気・ガス業 4.4%
情報通信業 7.4%
卸売業 1.9%
小売業 2.8%
クレジットカード業、割賦金融業 11.2%
飲食サービス業 3.7%
生活関連サービス業、娯楽業 9.6%

(参考:経済産業省 時期:平成29年度)

売上高経常利益率の目安

売上高経常利益率の平均値は、平成29年度の数字で「5.5%」となっております。(参考:経済産業省

業種別の数値は以下のとおり。

製造業 7.8%
電気・ガス業 4.3%
情報通信業 8.3%
卸売業 3.3%
小売業 3.0%
クレジットカード業、割賦金融業 11.8%
飲食サービス業 4.0%
生活関連サービス業、娯楽業 10.7%

(参考:経済産業省 時期:平成29年度)

売上高純利益率の目安

売上高純利益率の平均値は、平成29年度の数字で「4.1%」となっております。(参考:経済産業省

業種別の数値は以下のとおり。

製造業 5.8%
電気・ガス業 4.2%
情報通信業 6.4%
卸売業 2.5%
小売業 1.7%
クレジットカード業、割賦金融業 8.7%
飲食サービス業 2.1%
生活関連サービス業、娯楽業 6.7%

(参考:経済産業省 時期:平成29年度)

自己資本利益率の目安

自己資本利益率の平均値は、平成29年度の数字で「9.4%」となっております。(参考:経済産業省

業種別の数値は以下のとおり。

製造業 9.3%
電気・ガス業 7.8%
情報通信業 11.1%
卸売業 11.1%
小売業 7.0%
クレジットカード業、割賦金融業 7.5%
飲食サービス業 7.4%
生活関連サービス業、娯楽業 9.0%

(参考:経済産業省 時期:平成29年度)

【実践編】利益率を計算してみよう

では実際の会社の数字を使って、以下5種の利益率を計算してみましょう。

利益率の種類 用途
売上高総利益率 「優位性」を確めたい時に使います
売上高営業利益率 「本業」の収益性がわかります
売上高経常利益率 「本業+本業以外」の収益性がわかります
売上高純利益率 「本業+本業以外+特別損益+税金」の収益性がわかります
自己資本利益率(ROE) 「自己資本をどれだけ効率よく使ったか」を判断するのに使用します

例として、「SFPホールディングス(2019年2月期)」の数字を用います。

SFPホールディングスは、磯丸水産などの飲食サービスを運営する会社です。

売上高総利益率の計算

まずは計算方法をおさらいしておきましょう。

売上高総利益率(粗利益率)=売上総利益(売上高ー売上原価)÷売上高×100(%)

売上高を赤枠で、売上総利益を青枠で囲ったのでご確認ください。

計算結果は以下のとおり。

売上高総利益率(粗利益率)=27,001,906÷37,751,321×100=71.5%

飲食サービス業の平均は55.9%でしたので、優秀な数字と判断できます。

売上高営業利益率の計算

まずは計算方法をおさらいしておきましょう。

売上高営業利益率=営業利益(売上高総利益ー販管費)÷売上高×100(%)

売上高を赤枠で、営業利益を青枠で囲ったのでご確認ください。

計算結果は以下のとおり。

売上高営業利益率=2,907,185÷37,751,321×100=7.7%

飲食サービス業の平均は3.7%でしたので、優秀な数字と判断できます。

売上高経常利益率の計算

まずは計算方法をおさらいしておきましょう。

売上高経常利益率=経常利益(営業利益+営業外収益ー営業外費用)÷売上高×100(%)

売上高を赤枠で、経常利益を青枠で囲ったのでご確認ください。

計算結果は以下のとおり。

売上高営業利益率=3,221,694÷37,751,321×100=8.5%

飲食サービス業の平均は4.0%でしたので、優秀な数字と判断できます。

売上高純利益率の計算

まずは計算方法をおさらいしておきましょう。

売上高純利益率=純利益(経常利益+特別利益ー特別損失ー税金)÷売上高×100(%)

売上高を赤枠で、純利益を青枠で囲ったのでご確認ください。

計算結果は以下のとおり。

売上高純利益率=1,955,424÷37,751,321×100=5.1%

飲食サービス業の平均は2.1%でしたので、優秀な数字と判断できます。

自己資本利益率の計算

まずは計算方法をおさらいしておきましょう。

自己資本利益率=当期純利益÷自己資本×100(%)

自己資本を青枠で囲ったのでご確認ください。(当期純利益は上の表にありますので、割愛します。使う当期純利益は1,955,424です。)

計算結果は以下のとおり。

自己資本利益率=1,955,424÷15,566,092÷×100=12.6%

飲食サービス業の平均は7.4%でしたので、優秀な数字と判断できます。

 

【注意】自己資本利益率の計算は、厳密にやると複雑

自己資本利益率は12.6%と計算されましたが、実は本当の数字は少し違います。

10.7%となっていますね。なぜ数値がブレるかというと、厳密な計算方法は異なるからです。

 

【覚えなくていい】自己資本利益率の厳密な計算方法

実は2006年に、自己資本利益率の計算方法が改正されました。↓

正直よくわからないと思います。

ですがご安心を。

自己資本利益率は重要な指標であるため、基本的に会社側で計算しています。

自己資本利益率が知りたければ、素直に有価証券報告書の上部にある計算結果を見てしまいましょう。

 

ディープくん
ディープくん
この記事は以上になります。最後まで読んでくれて、ありがとうございました!

参考文献

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